【S9 剣盾ダブル】魔改造晴れパ 最終1592位
はじめに
ランクマッチシーズン9お疲れ様でした!TNきせきらき で潜っていました。マッチングした方は対戦ありがとうございました。
普段はシングル勢ですが、今期はダブルバトルに注力していました。シーズン通して下記の晴れパをそのまま使わせていただき、都度アレンジを加えていきました。
今ーズンは8月中旬くらいまでは4桁台、下旬は3桁台、最終日の3日前辺りでは3桁台前半の試合を経験することができました。最終的に大きく溶かしてしまったので、シーズン途中の成績については対戦相手の方に訊くしかありません。
概要
コータス+晴れエースについて
本構築は、コータスで天候を晴れにしてサンパワーリザードンの火力を押し付けていくことを主軸にしています。ドラパルトテラキオンやバンドリなどリザードンの4倍弱点を突いてくる並びに対しては、葉緑素フシギバナを代わりに選出して対応します。
剣盾DLC1弾にてフシギバナにキョダイマックスが実装されたことにより、巨大鞭撻のスリップダメージに期待できるようになり晴れパ全体で強化されたと言えます。
コータスの鉄壁について
晴れパの目玉であるコータスですが、本構築では鉄壁搭載個体となっています。ダブルでコータスが悠長に積んでる暇はないのか嫉妬の炎や噴火が強いからなのか、ポケモンHOMEにおける技使用率ランクは圏外となっています。主なメリットは下記の通りです。
トリル下のギガイアスへの対抗
シーズン当初はレンタルパを回していましたが、トリル展開からギガイアスを出されるとほぼ確実に制圧されて負ける場面が目立ちました。詳細は後述しますが、鉄壁を搭載することにより、トリル下で相手のギガイアスより先に鉄壁を積むことができ(最遅コータスのS実数値は22、最遅ギガイアスのS実数値は27)、ダイマックスターンを凌ぐことができるようになりました。
物理全般への要塞化
鉄壁を採用した主な目的はトリル下でギガイアスに制圧されるのを防ぐためでしたが、その他物理方面全般に役立ちました。特にゴリランダーやガオガエンは、鉄壁を積みさえすれば確実に勝てる相手だったので、取り巻きを処理してコータスで詰ませるというゲームプランが立てられました。
積むことができれば物理方面の相手はかなりしやすかったです。怯みや急所、その他追加効果を引くリスクは常に付きまといました。
ボディプレスの火力上昇
8世代から新たに追加されたボディプレスは、使用者の防御が高いほど火力が出る技です。そのため威嚇の影響を受けることなく、鉄壁で防御を上げれば安定した火力上昇を見込めます。
個別解説
※()内は努力値。リザードン・フシギバナ・ウーラオスはキョダイ個体。ピッピとコータスはS個体値0。
ルガルガン@拘り鉢巻
【性格】陽気
【特性】硬い爪
【実数値】150-169(252)-85-x-86(4)-178(252)
【技構成】アクセルロック/岩雪崩/インファイト/不意打ち
- DMバンギラス(H414B130)に対してインファイトが確定1発(456~540ダメージ)。
- DMリザードン(H308B98)に対して岩雪崩が確定1発(328~388ダメージ)
- DMエースバーン(H310B95)に対してアクセルロックが確定2発(156~186ダメージ)。
アローラから時空を超えてきたプレシャス個体*1。参考元の構築にいたので、構築ごとパクることにしました。主に晴れミラーや、岩・格闘打点がどうしても欲しい時に出します。
ゴリランダーが怖いですが、リザードンやフシギバナは有利ですしコータスに引いたりピッピで攻撃を吸い寄せることもできるのでケアは十分可能です。
技構成は、アクセルロック・岩雪崩・インファイトまでは確定。ラス枠はキュワワードラパルトの並びにウーラオスと共に対抗するための不意打ち。他にはロックブラストや噛み砕く、炎の牙などが考えられますが、採用には至らず。
拘りポケモンなので、明らかに刺さってる技がある場合のみ選出していました。例えば、 晴れミラーや襷モロバレル入り、イエッサンブリムオン系統などが挙げられます。
リザードン@命の珠
【性格】控え目
【特性】サンパワー
【実数値】167(108)-x-99(4)-162(148)-106(4)-151(244)
【技構成】熱風/エアスラッシュ/熱砂の大地/守る
- 晴れ or 手助け巨大獄炎がHD特化サマヨール(H147D200)に対して118~140ダメージ(80.3%~95.2%)。
- 晴れ or 手助けダイアースでHD特化ガオガエン(H202D156)が中乱数(50%)1発(182~216ダメージ)
- 同様に、ダイアースでDMパッチラゴン(H330B90)が高乱数(75%)1発(315~372ダメージ)
- ダイロックでDMリザードン(H308D105)が確定1発(333~395ダメージ)
- 最速85族(イエッサン♀、キングドラ、ゴリランダーなど)抜き
本構築のエース枠。珠とサンパワーの火力を押し付けに行きます。晴れパのリザードンはヨロギの実を持って岩技の被ダメを抑えることが多いですが、火力を重視して命の珠にしています。サマヨールやガオガエンなど、特殊アタッカーを動かす上で障害となるポケモンを1ターンで沈めることができるのは大きなメリットと言えます。他にも晴れ・珠による火力は凄まじいものがあります。
技構成は、DMが切れた後もこの指止まれや怒りの粉で吸い寄せられない熱風、ダイジェットの媒体となり怯みも狙えるエアスラッシュ、ガオガエンやパッチラゴンへの打点となりダイアースで味方全体の特防を上げられる熱砂の大地、ダイウォールの媒体となり、非DM時でも生存に役立つ守るとなっています。
珠とサンパワーの定数ダメージに加えて、リザードン自身の耐久も高くはないため体力管理には注意する必要があります。先発でコータスと共に出した後は、相手の初手ダイマックスが想定できる場合には一旦ダイウォールしつつピッピに引いて凌ぐのも行動の選択肢に入ります。
当初は臆病CS個体を使用していましたが、抜かれる相手はたとえ最速であっても抜かれることが多く、それよりも耐久に振った方がいいと考えたため調整をすることにしました。配分としては、こちらの記事を参考にさせて頂きました。
記事とは性格が異なっていますが、素早さを抑えて臆病CS個体並みの火力を維持しつつ、耐久を確保しています。最速ウーラオスやポリゴンZには抜かれますが、隣にピッピがいれば撃ち合うことは可能ですし、耐久振りに助けられた場面も多かったのでこの調整で正解でした。
ピッピ@進化の輝石
【性格】呑気
【特性】フレンドガード
【実数値】175(236)-x-110(252)-x-88(20)-36
【技構成】この指止まれ/光の壁/手助け/守る
- H:16-1(砂ダメ等の定数ダメ最小)
味方を守るサポート要員。隣のエースを守りつつ、置物にならない範囲で生き残る役割があります。
技構成は、構築概要でも述べたとおりですが、味方への攻撃を吸い寄せるこの指止まれと、ヘイトを集めた自身が生存するための守る、猫だましより高い優先度かつ味方の火力を底上げできる手助けまでは確定。
ピッピの技構成は、味方への攻撃を吸い寄せるこの指止まれ、自身が生存するために不可欠な守る、猫だましより動くことができ味方の火力を増強できる手助けはほぼ確定だと思われます。
ラストの枠は、リフレクターやJCSで猛威を奮った歌うが候補でしたが、パーティ全体で何を重視するかによっても変わってくると思いますが、本構築では特殊方面への耐性を重視して光の壁を採用。構築概要で述べた理由により光の壁を採用。トゲキッスには急所で貫通されますが、晴れミラーや雨パ、トリルアシレーヌ、など特殊方面の相手を安定させるために重宝しました。ポリゴンZに対してはピッピが被弾しない読みで壁を貼るのはリスキーだったので、手助け巨大獄炎で横のピッピを落として後続をウーラオスに任せていました。
フシギバナ@達人の帯
【性格】控え目
【特性】葉緑素
【実数値】175(4)-x-104(4)-165(236)-121(4)-114(108)
【技構成】リーフストーム/ヘドロ爆弾/大地の力/守る
第2のキョダイマックス枠。リザードンが出し辛い岩技持ちや、雨パなどに出します。ただし、同居しているエースバーンがかなり重くなるためピッピによるサポートは必須です。
技構成は、巨大鞭撻の媒体となるリーフストーム、一致打点かつダイアシッドで積みながら殴れるヘドロ爆弾、地面打点かつダイアースで特殊耐性を上げられる大地の力までは確定。
ラストの枠は、安定性を求めるのであれば守る、トリル起動など外しのリスクを負ってでも行動全般を阻止したければ眠り粉になります。終盤まで両方使い分けていましたが、守るの有用性を感じることが多かったので守るを採用。
また一時期ウェザーボールを採用していたこともありましたが、最終的にセキタンザンへの打点を優先して大地の力に落ち着きました。ウェザーボール自体は、晴れ下でナットレイやモロバレル、アーマーガアを焼却できた点で面白い動きができたのですが、彼ら以上に増えていたセキタンザンへの対応を優先しました。
コータス@食べ残し
【性格】呑気
【特性】日照り
【実数値】177(252)-x-187(76)-105-113(180)-22
【技構成】ボディプレス/鉄壁/欠伸/守る
- H:16n+1(残飯効率最大)
- 鉄壁1積みで意地バンギラス(A204)のDM岩雪崩が84~98ダメージ(47.5~55.4%)
- 陽気ドリュウズ(A182)のDM地震耐え(150~176ダメージ)
- 晴れ下で控え目珠キングドラ(C161)のDMハイドロポンプ耐え(143~172ダメージ)
本構築の心臓となる晴れ要員。元記事では噴火搭載のHCベースオボンでしたが、HP満タンの状態で噴火を撃つ機会がほとんどなく、ボディプレスの火力が少しでも欲しかったのでHBベースに変更。調整はこちらの記事を参考にさせて頂きました。
昨今のエースバーンコータスが見えているとダイジェットしてこないことも多く、また相手が能力を上げてこない場合は嫉妬の炎は腐りがちでした。代わりに熱風の採用も視野に入りましたが、ダイマックスエースが倒れた後に出てくるゴリランダーや、トリルアタッカーのギガイアスを特に重く見て鉄壁を採用。物理方面への要塞になれると同時に、ボディプレスの火力アップにも役立ちます。また相手のパーティが物理偏重だった場合は、コータスで詰ませるゲームプランを組むことが多いです。
なお攻撃技がボディプレスのみとなるため、霊・妖の相手がし辛くなりますが、仮に嫉妬の炎や熱風を搭載したとしてもコータスで勝てるかは微妙なので思い切って変更しました。ドラパルトやトゲキッス、アシレーヌはコータスがどんな型だったとしても依然としてキツい相手です。そのため、後述のウーラオスに雷パンチを搭載して見ることもありました。
ウーラオス(一撃の型)@気合の襷
【性格】陽気
【特性】不可視の拳
【実数値】175-182(252)-121(4)-x-80-163(252)
【技構成】暗黒強打/インファイト/雷パンチ/守る
パーティ全体で重くなりがちなドラパルトやゴーストタイプへの対抗枠。またリザードンやフシギバナが事故死した場合や、2体が余りにも刺さっていない場合はウーラオスをダイマックスさせることがあります。
シングルではウーラオス自身がダイアークの恩恵(相手の特防1段階ダウン)を受ける場面は殆どなく、ダイウォールを無視して攻撃できるキョダイ個体の方が有用性があります。しかし、ダブルであればダイアークの恩恵を味方の特殊アタッカーが受けられる場面が想定できます。もっともウーラオスにダイマックスを切るような場面ではリザードンやフシギバナが事故死していることが多いため、そのような恩恵を受ける機会はなく、また巨大一撃はダイウォールすら無視できる大きなメリットがある点と見た目のカッコよさを重視してキョダイ個体を採用。
技構成は、一致打点の暗黒強打だとインファイトは確定。守るの枠は、封印対策で見切りでもいいですがPP切れそうになったことがあったので守るにしました。ちなみにシーズン通して守るを封印されたことはなかったです。
ラストの枠は最後まで不意打ちにするか雷パンチにするか迷いましたが、トゲキッスやアシレーヌがとにかくきつかったので雷パンチを採用。不意打ちによる縛り性能は放棄することになりましたが、見せてない間は相手も勝手に警戒してくれるので結果的には正解でした。
選出パターン
基本選出
基本選出。早い岩雪崩持ちやバンドリがいない限り、リザードンを先発に出すことが多いです。悪戯心持ち(エルフーン、オーロンゲなど)や弱点保険・正義の心ギミックの始動要員(ドラパルト、マニューラ、キュワワーなど)がいる場合は、リザードンを守ったりギミックの発動を防げるようにピッピを一緒に出していました。またこの指要員の横に高火力ダイマックスエースを置く並び(ピッピ・ポリZ、ピッピ・リザードン)に対しては、先にこの指要員を手助け補正が乗った攻撃で落としにいくことが多かったです。
イエッサンフーディン系統に対しては、リザードンでフーディン方向にダイジェットしつつウーラオスを投げていきます。ピッピ光の壁を貼り、自ターンにもう一度ダイジェットしてイエッサンを落としつつ裏からウーラオスを投げてダイジェットの恩恵を受けてS上昇と相手のサイコフィールドを活用していました。
天候要員のコータスは後投げすることが多いです。手から晴れの火力を押し付けつつリザードンをサポートしたい場合は、先発コータスリザードンにしてピッピを後投げすることもあります。またトリルギガイアス軸の場合にはサマヨールがトリル貼ってる間にコータスで鉄壁を積みます。
ラストの1枠は、妖が重くなりそうな場合はフシギバナ、晴れミラーであればルガルガン、それ以外は襷要員のウーラオスを出しました。
ウーラオスキョダイマックス
フシギバナにもリザードンにもダイマックスを切り辛い相手への選出。モロバレルやジバコイルなど頑丈・襷持ちの選出が予想され、裏にはトゲキッスやドラパルト、ガオガエンが控えている相手に対してこの選出をしました。また悪戯心オーロンゲなどがいる場合にフシギバナに処理してもらった後でダイマックスはウーラオスに切ることもあります。
いずれにせよウーラオスにダイマックスを切らざるを得ない時点でかなり苦しいですが、晴れ選出を想定してきた相手には予想外に刺さることも多くありました。
リザバナ両選出
主にドラパテラキモロバレル入りに対する選出。モロバレルは出てこないことも多いですが、コータスが炎技を搭載していないのでリザードンを選出しなかったら詰むおそれがあるので両選出します。
先発にリザバナを並べてテラキオンがいなければリザードンを、テラキオンがいる場合(隣は大抵ドラパルト)はコータスを後投げしつつフシギバナにDMを切ります。ドラパルトはダイジェットかダイホロウを撃ってきてテラキオンが岩雪崩をしてくるのでこれを凌ぎつつ、巨大鞭撻でテラキオンを処理していました。相手視点から見たら、仮にモロバレルを選出した場合はリザードンを処理したいと思われますし、してないのであれば巨大鞭撻に後投げは難しいと思われます。
後続はリザードンやウーラオスに任せることになりますが、ドラパルトのDMターンはダイウォールを挟みつつフシギバナに消費させておきましょう。
終わりに
平時はシングル勢の者がシーズン通してダブルランクマに潜ってみた感想としては、盤面に存在する個体が増える分、選択肢が多くなり想定しなくてはならないケースがかなり多く、経験で積み上げなくてはならない部分が多いと感じました。
構築記事で全ての構築(系統はある程度まとめられるかもしれないが)に対して完璧な回答を書ききることはできず、実際に自分で構築を運用したり対戦しないと分からない立ち回りが数多くありました。特に余計な場面で負け筋を引きに行ったり、不要なリスクを負う場面が目立ったかなと思います。
一例ですが、こちら残HP1のA1段階上昇一撃ウーラオス・リザードン、相手が削れたツボツボ・ラッキーの並びと対面した際にラッキーのサイドチェンジを警戒してツボツボ方向に暗黒強打、ラッキー方向にエアスラを選択しました。この対面はツボツボを落としラッキーはエアスラで怯んで勝ちましたが、仮にラッキーに動かれていた場合、地球投げでウーラオスが落とされてラッキーで詰みかねません。要は7割の負け筋を自ら引きに行っていた状況です。
ツボツボは暗黒強打・エアスラのどちらでも落ちるので、サイドチェンジの有無に関わらず落とすことができました。ラッキーはサイドチェンジを選択した際は攻撃できないので、この対面はラッキー方向に暗黒強打・ツボツボ方向にエアスラが正解でした。
上記の例だけでなく、盤面における最善手を選べてなかった場面が多数ありました。またダブルでメジャーなギミックや並びに対して確実な解答を用意しきれなかった点も終盤レートが伸び悩んだ点でした。同時に最善の選択を続けて辛うじて勝てた試合もあったので、シングルとはまた違った面白と難しさがあると感じました。
盤面ごとの対応については、また別記事で思考の整理のためにもピックアップする予定です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。質問・感想・意見等がございましたら、twitter@ Onigohri_362 までお願いします。
スペシャルサンクス
本構築のベースを考案されたふれいむさん
コンペボールコータス、サファリボールフシギダネの孵化余りを提供して下さったBBさん。
*1:https://www.pokemon.co.jp/ex/usum/lineup/170922_02.html
剣盾のランクマッチに参加させるためには、バトルタワーのロビーでバトルレギュレーションマークを付ける必要があります。また、その際に限定技であるハッピータイムは使えなくなります
オシャボ厳選史 ~6世代から8世代DLC1弾まで~
はじめに
お久しぶりです。1ヶ月ほど前に色違いのムラっけオニゴーリinコンペボールを入手することができましたので、この機会にこれまでのオシャボ厳選を総括することにしました。
オシャボ厳選振り返り
オシャボ厳選の可能性は、遺伝の仕様変更とボール本体の入手手段が確保されていくことで、広がっていきました。以下、6世代に遡って振り返っていきます。
6世代:オシャボ厳選の始まり
5世代以前では、育て屋に預けた場合、親個体のボールが何であれ生まれてくる個体はモンスターボール固定でした。
6世代(XY・ORAS)は、初めてモンスターボール以外のボールが遺伝するようになった世代です。育て屋(現:預け屋)に預けた親個体の内、♀個体のボールが生まれてくる個体に遺伝していました。当ブログも、オシャボ厳選黎明期といえるこの頃に開設して今に至ります。
また、遺伝の仕様と同時にボールエフェクトも実装されました*1。当時はフレンドリィショップで購入できる13種類のボール+ドリームボール・サファリボール・マスターボール・プレシャスボールに固有のエフェクトが設定されていて、ガンテツボールやコンペボールは共通のエフェクトでした。
XYでは、夢特性の個体を入手できる画期的な施設:フレンドサファリが存在しました。フレンドサファリで夢特性の♀個体(例えば、変幻自在ゲコガシラや疾風の翼ヒノヤコマ、力持ちホルードなど)を特定のボールで捕獲して孵化厳選するという、新しい厳選形式に興奮したのを今でも覚えています!また5体同時に出現してたまに夢特性が混じっていることもある群れバトルも新鮮に感じていました。
その後、ORASでは図鑑ナビのサーチモードが実装されました。特筆すべき個体としては、マボロシ山に出現するポリゴンが挙げられます。現時点でも、数少ない野生産ポリゴンを入手する機会です(BWにおけるハイリンクの森を除く)。図鑑サーチの連鎖が続けば、色違いや夢特性に出会うことができます。マボロシ山でダイブボール入りの夢ポリゴンをここで捕まえて7世代以降でボール遺伝・色厳選を行う方は多いのではないでしょうか。
7世代:オシャボ厳選の発展
7世代では、オシャボ厳選を取り巻く環境は大きく変わりました。具体的には、以下の通りです。
ボール遺伝の仕様変更
ボール遺伝の仕様が現行のものとなりました。それまでは♀個体のみのボールが遺伝するしようでしたが、次のように大きく変わりました。
ガンテツボール本体の入手・ウルトラボール実装
上記の遺伝仕様変更に加えて、7世代ではボール本体の入手機会に恵まれました。具体的には、ガンテツボールとウルトラボールです。前者はHGSSのボール職人:ガンテツ師匠から取得できたもので、後者は7世代で新規に追加されたウルトラビーストが捕まえやすいボールです。
ボールエフェクトの追加・変更
遺伝の仕様変更、ボール本体の入手手段の増加に加えて、ボールエフェクトの変更・追加も7世代のオシャボ厳選を語る上で欠かせないポイントです。
6世代の頃よりもボールエフェクトが派手になり、またガンテツボールやコンペボールに固有のエフェクトが実装されたことにより交換価値が大きく上昇しました。
島スキャンによる御三家の厳選
島スキャンとは、3DSのカメラでQRコードを読み込んで下画面のポイントを溜めてできるサーチ機能です。
詳細は上の記事等をご覧いただけるとありがたいですが、主な用途としてオシャボ厳選用の御三家の親個体の確保が挙げられます。特に、ゲッコウガ(通常特性)をムーンボールで捕獲したプレイヤーは多かったのではないでしょうか。
SM・USUMにおける島スキャンの実装により、1~6世代の御三家については夢特性個体を市販のボール・ガンテツボール・ウルトラボールに入れることが可能になりました。
2020年8月現在、1~4世代の御三家についてはドリームボール個体も存在しますし、初代御三家についてはサファリボール・コンペボールに入った夢特性個体の確保も可能です。
7・8世代の御三家を野生で確保する手段は、未だに存在しないため通常特性・夢特性問わずモンスターボール個体のみ存在します。マックスレイドバトルにピックアップされればオシャボ厳選の可能性が出てきます。
2021年10月2日(金)追記
10月1日(金)から10月4日(月)の8時59分まで、アローラ御三家がマックスレイドバトルに出現しています(夢特性も出ます)。これによりアローラ御三家についてもショップで売っているボールやガンテツボールなど、ゲーム内で入手できるあらゆるボールで入手できるようになりました。この歴史的な機会に、アローラ御三家のオシャボ個体を確保してみてはいかがでしょうか。
10月4日(月)8時59分まで、『ポケモン ソード・シールド』のポケモンの巣に、モクロー・ニャビー・アシマリが出現中!
— ポケモン公式ツイッター (@Pokemon_cojp) 2021年10月1日
アローラ地方でおなじみの3匹をゲットして、ガラル地方でもいっしょに旅をしよう!#ポケモン剣盾 pic.twitter.com/Ekm8tlJJWJ
7世代では、オシャボ厳選を取り巻く事情が変化したことにより、厳選の可能性が大きく広がりました。特に印象的な個体としては、メタグロスinヘビーボール、変幻自在ゲッコウガinムーンボール、テクニシャンキノガッサinフレンドボール、鮫肌ガブリアスinサファリボールなどが挙げられます。
8世代
ドリームボール本体の入手
ドリームボールが入手できるようになったことにより、それまではドリームボールに入っていたら改造個体扱いされていたギルガルドやミミッキュが合法的に入るようになりました。
ドリームボールについては、ストーリー中でシュートシティのボールガイからも入手可能です。
遺伝技の後付け
マスターボールやプレシャスボールは、孵化厳選によって遺伝させることはできません。そのため、このボールから出てきた個体が遺伝技を覚えていたら改造個体とされていました。例えば、マスターボールに入ったルカリオがバレットパンチを撃ってきた場合(通称「マスボバレパンルカリオ」)やプレシャスボールに入った配布色ミミッキュ*2が呪いを撃ってきた場合などが挙げられます。
8世代で遺伝技の後付けが可能になった結果、上記個体は正規個体として日の目を見ることになりました。詳細はボールエフェクトと併せてこちらからご覧ください。
コンペボール・サファリボール本体の入手
DLC1弾「鎧の孤島」実装に伴い、ヨロイ島では、それまで剣盾には出現しなかったポケモンが入手できるようになり、またウッウロボからサファリボール・コンペボールを新たに入手できるようになりました*3。www.pokemon.co.jp
DLC解禁前は、サファリボールに入った個体はサファリゾーンやノモセ大湿原で捕獲できるポケモンに限定されていました。同様に、コンペボールに入ったポケモンは虫取り大会で捕獲できるポケモンのみでした。7世代でも遺伝の仕様変更により一部個体に関しては夢特性も入手できましたが、親個体となる種類が絶対的に少数でした。
DLC解禁後は、(ヨロイ島を含む)ガラル地方に出現するポケモンに対してサファリボール・コンペボールを投げられるようになり、オシャボ厳選の幅が一気に広がりました。
入手パターンとしては、次に挙げる2点が挙げられます。
ウッウロボからサファリボール・コンペボールを入手できる確率は極めて低いですが、1個でも入手できれば捕獲→孵化厳選→量産することで交換の可能性が大きく広がると思います。
きたあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ #ポケモン剣盾 #NintendoSwitch pic.twitter.com/FIygPMVyqT
— koichil (@koichil) July 16, 2020
私自身、ウッウロボから入手はまだできておりませんでしたが、ランクマッチで使えない色ゼラオラとコンペボールを交換していただくことで、最終的にムラっけオニゴーリ in コンペボールにまで辿り着くことができました。交換して下さった方にはこの場で改めてお礼申し上げます。
終わりに
ここまで各世代ごとのオシャボ厳選環境の変化に触れてきました。世代を追うごとにつれて、厳選の仕様が変わったりやボールの入手先が増えるなどオシャボ厳選の可能性は広がり続けていると言えます。
かつては改造個体として糾弾された個体が、時を経て正規仕様で実現できるのは長くプレイしてきた身としては感慨深いものがあります。
今後、新しい仕様や厳選可能性が出てきた折には都度ブログ記事にしていけたらと思います。
2020年8月時点でなお改造個体とされている個体の例として、モンスターボール以外ボールに入った7世代・8世代御三家や、ガンテツボールに入ったポリゴン系統などが挙げられます。他にもいると思いますが、マックスレイドバトルなどで解禁されることを願いましょう。
ここまでお読みいただきありがとうございました。質問・感想・意見等がございましたら、twitter @Onigohri_362 までよろしくお願いします。
※私はムラっけオニゴーリが好きなこともあり、入れることができるボールはコンプリートしたいと思っております。サファリボール個体は未だに入手できておりませんので、サファリボール本体ないしはムラっけユキワラシ in サファリボール個体を提供して下さる方がいらっしゃいましたら、一声かけていただければ幸いです。
対価として何らかのサファリボール・コンペボール個体は用意させていただきます。
【剣盾シングルS2最終201位】『フル稼働水ロトム軸対面構築』
はじめに
ランクマッチシングル、シーズン2お疲れさまでした。私はTNきせきらき で潜っていました。マッチングした方は対戦ありがとうございました!
今シーズンは最終日まで2000〜4000位を彷徨っていましたが、水ロトムとネギガナイトを入れてから一気に順位が上がって最終201位まで来ることが出来ました。
以下、解説していきます。
使用構築
レンタルパーティを用意しておきました。使っていただけたら大変嬉しく思います!
構築概要
今シーズンはTODが可能だったため、不用意に頭数を減らすと容易にTOD負けすると思い起点要員を切ってオニゴーリを出すことは難しいと感じていました。そのため、当初は初手に出したり呪いミミッキュで嵌めてる最中に後投げするなどしていましたが 、安定せずに順位が上がりませんでした。
オニゴーリを運要していく上で、同じくTODがあった6世代に立ち帰ってみたところ、水ロトムの後攻ボルトチェンジによる無償降臨が選択肢に上がってきました。
水ロトムはパーティ全体で苦手としていたドリュウズやドサイドンにも強い枠となり、状態異常技も覚えることから採用し幾分安定するようになりました。
その後、初手のミミッキュ+クッションの水ロトムからダイマックス枠であるオニゴーリやドラパルトへ繋ぐムーブが基本となりました。あとはフェアリーのいない構築にサザンドラを通しに行ったりカビゴンに対して対面から強く出られる襷枠としてネギガナイトを採用して本構築が完成しました。
以下、順次個体紹介していきます。
※括弧内は努力値です。また特記がない限りは、個体値は31としてします。また、全ポケモンにダイマックス飴を与えているためダイマックス時のHPは2倍となります。
個体紹介
ミミッキュ@光の粉
性格:陽気
特性:化けの皮
実数値(努力値):131(4)-142(252)-100-x-125-162(252)
技構成:じゃれつく/呪い/身代わり/痛み分け
7世代から一定数存在する先発嵌めミミッキュ。こちらの記事を参考にさせていただきました。
参考記事でも言及されていますが、この型のミミッキュは受けに来たポケモン・自身より遅いポケモンに対して強い削り性能を持ちます。今シーズンは15分の時間制限が設けられたため、このミミッキュで1体倒してTODしたり、頭数が同じでも時間をかけて技選択して大幅に削るなど前期以上に扱いやすいのではないかと思いました。
本構築には、欠伸ニンフィアがよく先発で出てきます。化けの皮を盾に一度身代わりして、欠伸を透かす or ハイボを躱したら呪ってそのまま突破して後続を削ったりTODするなど先発要員としての役割を果たしてくれました。
ミラーは勝てないので、後続の水ロトムに引いて鬼火を入れてドラパルトの起点にすることが多かったです。
ロトム@オボンの実
性格:図太い
特性:浮遊
実数値(努力値):157(252)-x-174(252)-126(4)-127-106
技構成:電磁波/鬼火/ハイドロポンプ/ボルトチェンジ
- A187ドリュウズの地震を確定耐え。122〜146ダメージ(77.7〜92.9%)。
- A161珠アイアント(特性:張り切り)のダイワーム(威力130)を最低乱数以外耐える。133〜157ダメージ(84.7%〜100%)
- A 211ドサイドンのダイロック(威力130)が90〜106ダメージ(57.3〜67.5%)
- A142珠ミミッキュのじゃれつくが55〜66ダメージ(35.0〜42.0%)、同個体の剣舞ダイフェアリー(威力130)が156〜 185ダメージ(99.3〜117.8パーセント)
電磁波・鬼火を両搭載した過労死枠。HBに厚いクッション、電磁波・鬼火による状態異常付与、ボルトチェンジによる対面操作・ムラっけの補助、パーティ唯一の水打点など大車輪の活躍をしてくれました。数値は足りないことが多いですが、技さえ外さなければかなり器用な立ち回りができました。
オニゴーリが苦手とする砂かきドリュウズやドサイドンに対して強く出る事ができ、また先発に来やすいドラパルトに電磁波を入れる事が出来る点でパーティに欠かせない便利用員です。
シーズン終了後に気付きましたが、S個体値が29以下であれば無振り同速ミラーやS補正252振りドラパルト(実数値213、麻痺時106)に対して確実に後攻ボルトチェンジ出来るので個体値を粘ることをオススメします。
オニゴーリ@残飯
性格:臆病
特性:ムラっけ
実数値(努力値):177(172)-90-106(44)-101(4)-105(36)-145(252)
技構成:守る/身代わり/フリーズドライ/地震
- HP:残飯効率が最大となる16n+1。身代わり自体の耐久を少しでも高めたいため、177で採用しBDに振り分け。
- 地震がH185B81ドリュウズに対して84~100ダメージ(45.4~54.0%)。
- Sライン:最速
シーズン1に引き続き採用。守る・身代わりでダイマックスターンを稼ぎつつ、相手のダイマックスに応じてこちらもダイマックスして撃ち合うことが多いです。
今シーズンは15分間の制限時間があるため、残個体数で劣っている場合はTODされやすく、また眠るや願い事持ちなど突破にターン数を要する相手にも苦戦することが多かったです。逆に相手よりも頭数でリードしていれば逆にこちらからTODを仕掛けることも出来ますし、残個体数が同じであっても最後まで勝ち筋を追うことができます。
当初は、時間のかかるフリドラ地震の構成からフリドラ零度への変更も視野に入りましたが、TODを狙われている状況で不安定な手段に頼ることはできないと判断したので前期同様フリドラ地震のままにしました。炎タイプや鋼タイプへの打点になり、A上昇も活かせるので結果的にはこの構成でよかったです。
ネギガナイト@気合いの襷
性格:意地っ張り
特性:肝っ玉
実数値(努力値):167(236)-202(228)-115-x-102-91(44)
技構成:インファイト/命懸け/フェイント/毒突き or カウンター
- 命懸けでH157ドヒドイデが確定一発
- インファイトがH215B187カバルドンに対して75〜88ダメージ(34.8〜40.9%)
- インファイトがH235B128カビゴンに対して216〜254ダメージ(91.9%〜108.8%)
- 毒突きがH181B99*1ニンフィアに対して124〜146ダメージ(68.5〜80.6%)。
配分や技構成は、こちらの記事を参考にさせて頂きました。
襷枠兼格闘枠。当初はこの枠にパルシェンを採用していましたが、サザンガルドやカビゴンに対して不利だったので変更。パルシェンに持たせていたダイマックスのストッパーを起点にする役割は、ダイマックス自体を後から切ることで放棄しました。ネギガナイトには、カビゴンやサザンガルドに一貫する格闘打点ならびにドヒドイデやカバルドンを命懸けで沈める役割を持たせました。
毒突きの枠はフェアリー打点を意識していますが、ギャラドスなど物理アタッカー相手にカウンターをしたい場面もあったので個体数やパーティ単位でのキツさを考慮して使い分けていました。
この個体は、最終日にフォロワーのゆきのやどさんに急遽孵化余りを交換いただいて準備しました。この場を借りてお礼申し上げます。
ドラパルト@弱点保険
性格:意地っ張り
特性:クリアボディ
実数値(努力値):193(228)-179(180)-101(44)-108-96(4)-168(44)
技構成:ドラゴンアロー/ゴーストダイブ/空を飛ぶ/大文字
- DM時にA211五里霧中ヒヒダルマの氷柱落とし耐え。302〜356ダメージ(78.2〜92.2%)。
- DM時にC177サザンドラの流星群耐え。270〜320ダメージ(69.9〜82.9%)
- 最速100属抜き
本構築における2枠目のダイマックス要員のドラパルト。当初は初手に出してダイマックスすることが多かったのですが、後続の起点になりやすくその後は選出自体が控え目になりました。途中で水ロトムを入れた事で、状態異常によるサポート(特に相手のドラパルト)やボルトチェンジによる皮剥ぎ・対面操作によってダイマックス後の抜き態勢を整えることが出来てからは再びエース枠に返り咲きました。
一時期オニゴーリしかダイマックスしない時期が続いて安定しなかったのですが、ドラパルトが再度ダイマックスの選択肢になってから立ちまわりの選択肢が広がりました。
サザンドラ@拘りスカーフ
性格:臆病
特性:浮遊
実数値(努力値):167-x-111(4)-177(252)-110-165(252)
技構成:悪の波動/大文字/ラスターカノン/流星群
ダイマックス枠で荒らした後で一掃するスカーフ枠。フェアリーやカビゴン、ブラッキーなどこの型では出しにくい事が多かったので悪巧み搭載した型にした方がよかったかもしれません。スカーフミラーや嵌めミミッキュが対面から潰されるオノノクスに対して強く出られる点では役に立ちましたが、この枠は要検討です。
選出・立ち回り
ミミッキュ+水ロトム+オニゴーリ or ドラパルト
++or
基本選出。先発要員のミミッキュで1体倒すないしは相討ちになり、水ロトムで状態異常を撒いたり対面操作してダイマックス枠のオニゴーリやドラパルトを繰り出します。
ほぼ7割くらいはこの選出パターンでした。
ミミッキュ+オニゴーリ+ネギガナイト
++
カビゴンが入っている受けまわし系統の構築に対する選出。ミミッキュで先に1体倒したら、後続をオニゴーリと併せてTODします。
ミミッキュと同居している場合はネギガナイトの代わりにドラパルトを先にダイマックさせて1体倒し、後続をTODすることもあります。
ドラパルト+サザンドラ+ミミッキュ
++
サザンガルドに対して、ネギガナイトが選出し辛い時の選出。初手のギルガルドに対してゴーストダイブから入り、出てきたサザンをダイマックスしながら倒しつつ後続に削りを入れつつ退場します。後続はサザンドラの一貫を作るか、ネギガナイトの襷を温存して対応します。
選出率
1位:ウォッシュロトム
2位:オニゴーリ
3位:ミミッキュ
4位:ドラパルト
5位:ネギガナイト
6位:サザンドラ
キツいポケモン・並び
- 眠る持ちカビゴン、タイプ・ヌル、ブラッキー
→TODが可能なルールでこのポケモン達に遭遇するとかなりキツいです。頭数でこちらがリードしている場合は逆にTODできます。 - ミミッキュ
→剣舞を積まれたら水ロトムでは受かりませんし、嵌めミミッキュはテンプレミラーに弱いです。 - ヒートロトム
→このポケモンがいると、オニゴーリでの突破が困難になるためTODされやすいです。可能な限りドラパルトを選出したいところ。
終わりに
昨シーズンに続き、今シーズンも最終日まで苦戦する日々が続きました。それでも、対戦を重ねていく中でパーティに足りない枠を考えつつ立ち回りを見直して持ち直す事ができました。
最終日は、横向きに生えている親知らずを抜いて痛みで安静にしている状態で構築を完成させました。何があっても最後まで諦めなければ結果がついてくるということを実感できましたので、次シーズンも諦めずに対戦・考察を重ねていきたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。質問・感想・意見等がございましたら、twitter @Onigohri_362までお願いします。
*1:H84、B108振りを想定
【最終628位】【剣盾 シングル S1使用構築】『紅蓮氷塊アローラ!』
はじめに
あけましておめでとうございます!ランクマッチシングル、シーズン1お疲れさまでした。私はTNきせきらき で潜っていました。マッチングした方は対戦ありがとうございました!今回は、ガラルビギニングに引き続き8世代の構築記事となります。
使用構築
構築概要
ミミッキュで状態異常を撒き、オニゴーリを展開することをコンセプトにしています。ただし、鉢巻エースバーンを先発に出して荒したり、パーティ全体で初手に誘う水ロトムにオニゴーリを合わせに行くこともあります。
オニゴーリを初手に出す場合は、クッション兼引き先としてカバルドンを置きました。また、ニンフィア入りの受け構築に対しては珠剣舞ギルガルドを選出して崩しに行きました。ここまでで相手のカバルドン展開がキツく感じたので、ラムの実パルシェンを採用して本構築が完成しました。
以下、順次個体紹介していきます。
※括弧内は努力値です。また特記がない限りは、個体値は31としてします。また、全ポケモンにダイマックス飴を与えているためダイマックス時のHPは2倍となります。
個体紹介
使用ポケモンの画像はポケモンwiki(独)様から拝借しております。静止画ですが、8世代の色違い画像まで網羅しているのでおススメです。Sprites und 3D-Modelleの見出し配下にあります。Besuch mal diese Seite!
エースバーン@拘り鉢巻
性格:陽気
特性:猛火
実数値:155-168(252)-96(4)-x-95-188(252)
技構成:火炎ボール/不意打ち/飛び膝蹴り/蜻蛉帰り
- B特化カバルドン(H215B187)に対して、火炎ボールが93~109ダメージ(43.2~50.6%)。H降りのみの場合は、114~135ダメージ(53.0~62.7%)。
- B特化ブラッキー(H202B178)に対して、飛び膝蹴りが138~164ダメージ(68.3~81.1%)
- Sライン:最速
本構築における唯一の8世代ポケモン。先発に出して蜻蛉帰りで様子見したり、鉢巻火炎ボールで負荷をかけていくことが多いです。また、不意打ちで縛りつつダイマックスで拘り解除して盤面を制圧しに行くこともありました。
持ち物についてですが、命の珠・気合の襷・拘りスカーフを試してみましたが、火力を可能な限り上げたかったので鉢巻で採用。スカーフが欲しい場面(特に対ヒヒダルマ)もありましたが、火力補正のおかげで勝った試合も多いので要選択です。
当初はリザードンを使っていましたが、拘りスカーフやダイジェット無しでアイアントを抜きたかったので変更しました。
ギルガルド@命の珠
性格:意地っ張り
特性:バトルスイッチ
実数値(シールド):159(188)-110(236)-160-63-160-91(84)
実数値(ブレード):159(188)-209(236)-70-144-70-91(84)
技構成:シャドークロー/聖なる剣/影撃ち/剣の舞
剣盾なのに弱体化されたポケモン。オニゴーリでは崩しきれない受けを物理方面から崩しにいく役割を持たせています。特に選出されやすいニンフィア入りの受けサイクルをオニゴーリと併せて崩しに行きました。また、オニゴーリに対する高打点を持つ鉄壁ボディプレスアーマーガアは聖剣でランク無視して処理することが多かったです。
シーズン終盤、上から挑発してくるアーマーガアが数を増やしていたため想定通りに崩せないこともありました。そのようなケースでは、アーマーガアの耐久は物理特化よりも脆いことが多いので他のポケモンの圏内に入れる立ち回りを心掛けました。
オニゴーリ@残飯
性格:臆病
特性:ムラっけ
実数値(努力値):177(172)-90-107(44)-101(4)-105(36)-145(252)
技構成:守る/身代わり/フリーズドライ/地震
- HP:残飯効率が最大となる16n+1。身代わり自体の耐久を少しでも高めたいため、今回は177で採用。
- 地震がB4振りドリュウズ(H185B81)に対して84~100ダメージ(45.4~54.0%)。
- Sライン:最速
ガラルビギニングに引き続き採用。守る・身代わりでダイマックスターンを稼いだり、オニゴーリを崩すためにダイマックスを切らせる立ち回りは8世代ならではの強さといえます。
技構成ですが、守る・身代わり・フリーズドライは確定として残り1枠。ガラルビギニングではアイアンヘッドを採用していましたが、地震に変更しました。主な理由は、下記の通りです。
- ダイスチルでBを上げてもドリュウズの処理に時間がかかり、また炎タイプに対する有効打点がない。
- アイアンヘッドで怯ませにいくリターンが薄い。
- 地震であれば、ドリュウズ・エースバーン・ストリンダーの処理速度が上がる。
- ダイアースでDを上げれば、特殊アタッカー(ドラパルト、ラプラスなど)と撃ち合える。
マンムーを想像してもらえればお分かりかと思いますが、氷・地面の技範囲は非常に優秀です。能力上昇を上手く引くことができれば広い範囲を相手にすることができます。7世代の頃よりも、現在の対面を制するのに必要な能力が上下しやすくなったため、ダメ計は常にチェックしながら行う必要があります。
カバルドン@オボンの実
性格:腕白
特性:砂おこし
実数値(努力値):215(252)-132-152(108)-x-111(148)-67
技構成:ステルスロック/欠伸/吹き飛ばし/地震
- A156珠ミミッキュのA2段階上昇ダイフェアリーを確定耐え。177~211ダメージ(82.3~98.1%)。
- A205ドリュウズのA2段階上昇ダイアースを確定耐え。180~213ダメージ(83.7~99.0%)。
クッション兼ステロ要員のカバルドン。初手に出すと水ロトム等に吹っ飛ばされるので、オニゴーリを出して様子見して不利な場合にクッションとして投げることが多いです。
シーズン1当初はダイフェアリーの存在から活躍できないと危惧されましたが、ダイマックスを先に切らせる役割を果たせるため、考察が進みメタも進みました。そのため、トゲキッスやギャラドス、その他ラム持ち積みアタッカーが数多く出てくるようになりました。得体の知れない対面は吹き飛ばしが安定しました。
調整は、下記の記事を参考にさせていただきました。元記事ではメンタルハーブになっていますが、確定数をずらしたい場面が多かったのでオボンの実に変更しています。https://note.com/ir_poke/n/n0d1d788af8ab
ミミッキュ@広角レンズ
性格:陽気
特性:化けの皮
実数値(努力値):131(4)-142(252)-100-x-125-162(252)
技構成:シャドークロー/鬼火/電磁波/呪い
ガラルビギニングから続投となった起点要員のミミッキュ。ガラルビギニングでドリュウズに手も足も出なかった反省を活かし、鬼火を採用。電磁波が通る相手には電磁波を、地面タイプには鬼火を撃っていました。カビゴンやアーマーガアを相手にする場合、電磁波を当てても行動されたら身代わりを壊されやすくリターンは少なめです。鬼火を当てて火力を削げばオニゴーリでも相手しやすくなります。
持ち物は、電磁波・鬼火の命中率を上げるために広角レンズを採用。命中率を上げたこともあって外すことは少なく、試合展開のプランを立てやすくしてくれました。
パルシェン@気合の襷⇒ラムの実
性格:意地っ張り
特性:スキルリンク
実数値(努力値):125-122(252)-201(4)-x-65-122(252)
技構成:氷柱針/ロックブラスト/アクアブレイク/殻を破る
- A2段階上昇ダイストリームでH252振りDMハードロックドサイドン(H444B150)を確定一発。
- A2段階上昇ダイストリームでH252振りDMバンギラス(H414B130)に対して362~428ダメージ(87.4~103.3%)。
- A2段階上昇ダイロックでH4振りDMギャラドス(H342B99)に対して318~376ダメージ(92.9%~109.9%)。
- 殻破後、DM時にA204バンギラスのダイロックが224~266ダメージ(89.6~106.4%)
- 殻破後、DM時にA205ドリュウズのダイロックが150~178ダメージ(60.0~71.2%)
先制技の代わりに技範囲を手に入れたパルシェン。当初は襷を採用していましたが、発動機会が少なかったのとカバルドンの欠伸ループを抜けるためにラムの実を採用。
主に、襷ドリュウズやアーマーガーに鬼火を入れた後で舞うことが多かったです。バンギラスやドリュウズ相手に対面から舞おうとした場合、B1段階下がった状態でダイロックと砂ダメに耐えなくてはなりません。耐久・持ち物調整を行うとしたらこの辺りが目安になると思われます。
選出・立ち回り
基本選出
オニゴーリ展開
初手ミミッキュで状態異常を撒いて、オニゴーリを繰り出します。試合展開に応じて、オニゴーリもしくは他の1体をダイマックスさせます。ミミッキュとカバルドンで全力でオニゴーリをサポートする選出は、オニゴーリが落とされたら終わりなので極力控えた方がいいです。
対戦相手のパーティにニンフィアがいて、ドヒドイデやアーマーガーと同居している場合はギルガルドを選出して崩し性能を強化します。
対面選出
+ +or
オニゴーリを選出できない場合は、起点要員のミミッキュとクッション要員のカバルドンをそのままに、エースバーンかパルシェンで制圧していきます。特にローブシン入りにオニゴーリは出せないのでギルガルドもしくはエースバーンを通していくことを心掛けました。
選出率
1位:オニゴーリ
2位:ミミッキュ
3位:エースバーン
4位:カバルドン
5位:ギルガルド
6位:パルシェン
キツいポケモン・並び
- ドリュウズ:特に砂かき個体に下からダイロック⇒上からダイスチルの流れで来られるとオニゴーリでは対応できません。カバルドンを温存して再展開するか、先にパルシェンで積んで対応していましたが安定しているとは言えないので砂かきドリュウズはかなり苦手です。
- 欠伸持ちニンフィア:音技を持つニンフィアの前で悠長に身代わりを張ることは厳しいため、欠伸で眠らされた隙に回復されたり積まれます。Dが上昇し、かつ拘ってないことが分かったら強気に身代わりしてもいいかもしれません。
- バンギラス:砂おこしで回復を阻害してくるほか、8世代で新たに習得したロックブラストで身代わりを貫通してくるため天敵です。有効打である地震も弱点保険を考えたら不用意に撃てないためドリュウズ同様選出を避けるのも一考。
- 水ロトム、草ロトム絡みのサイクル:カバルドンを初手に出したら一撃で落ちる可能性が高く、また初手にオニゴーリを出しても後続をケアしなくてはならないため対応が安定しない印象を受けました。
終わりに
ランクマッチシングルシーズン1ではメジャーなポケモンとその型が目まぐるしく変わっていく中で、最後まで一番刺さりのいい個体並びを模索した結果、本記事のものになりました。構築・立ち回り共に精度がまだまだ低いので、まずはあらゆる構築記事を読み込んでインプットする必要があると思いました。
本記事が誰かのインプットの助けになれば未熟ながら大変嬉しいです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。質問・感想・意見等がございましたら、twitter @Onigohri_362までお願いします。
【ガラルビギニング使用構築】キョダイマックスリザードン軸積み構築【最高最終1786】【最終127位】
はじめに
3日間45戦のガラルビギニングお疲れさまでした。TNきせきらき で潜っていました。マッチングした方は対戦ありがとうございました!今回は、8世代に入って最初の構築記事となります。
キョダイマックスが使用可能ということで、ランクマッチで試験運用している構築にリザードンを加えて臨みました。直前のランクマッチでは1000位前後だったので課題は多いと感じていましたが、1800台目前まで来れたので振り返りと共に公開します。
カビゴンやラプラスがキョダイマックスして来る点を除いては、ほぼランクマッチシングルと変わらない印象でした。
使用構築
構築概要
起点要員のミミッキュを繰り出して、オニゴーリやリザードン などのエースに繋いでいくことを基本の動きとしました。また、先発に麻痺が通らない電気 or 地面タイプが出てくる場合や、壁構築始動展開対策に襷剣舞キリキザンを採用。また、環境に多く存在するドラパルトに上を取られないよう最速スカーフドラパルトを採用。最後に、ドラパルトのとんぼ帰りと相性がよく威嚇・チョッキと併せて物理・特殊(特にフェアリー)に繰り出せるウィンディを採用しました。
受け・サイクル系統の崩しを専らオニゴーリに一任していたため、オニゴーリで相手し辛いポケモン*1と同居されているとどうしようもない場面が散見されたため崩し要員を増やす必要性を感じました。
以下、順次個体紹介していきます。特記がない限りは、個体値は31としてします。また、全ポケモンにダイマックス飴を与えているためダイマックス時のHPは2倍となります。
個体紹介
使用ポケモンの画像はポケモンwiki(独)様から拝借しております。静止画ですが、8世代の色違い画像まで網羅しているのでおススメです。Sprites und 3D-Modelleの見出し配下にあります。Besuch mal diese Seite!
リザードン@達人の帯
性格:臆病
特性:サンパワー
実数値(努力値):153-93-99(4)-161(252)-105-167(252)
技構成:エアスラッシュ/火炎放射/気合玉/ソーラービーム
初代御三家を代表してキョダイマックスを手に入れたリザードン。ランクマッチではキョダイマックスできないので今大会は貴重な機会と捉え、構築の軸に入れました。
キョダイマックス技は、キョダイゴクエン。追加効果として、4ターンの間相手全体の炎タイプ以外のポケモンに対して、ターン終了時に最大HPの6分の1定数ダメを与えます。
ここまで読んで気づかれた方も多いかもしれませんが、サンパワーがまるで生きていません。当初リザードンを構築に入れた際に、キョダイゴクエンがダイバーンの追加効果を併せ持つ(=天候を晴れにする)と勘違いしていました。キョダイゴクエンとダイバーンが全く別物で、かつキョダイマックスリザードンが撃てる炎技はキョダイゴクエンのみとなればサンパワーの火力を前提にした立ち回りができないのは火を見るよりも明らかですが、致命的なミスでした。キョダイマックスリザードンを使うなら、確実に猛火の方がいいです。
当初予定していたサンパワーの火力がない代わりに、キョダイゴクエンの性能はどうだったか。目の前の相手だけでなく後続にも定数ダメを与えて確定数をずらせたのは大きかったです。ただランクマッチで見られるようなサンパワーによる火力の底上げに比べたら明らかに地味です。キョダイマックス枠をリザードンに割くのはかなり疑問があるというのが今回のガラルビギニングの結論です。
ウィンディ@突撃チョッキ
性格:意地っ張り
特性:威嚇
実数値(努力値):191(204)-166(164)-118(140)x-108-115
技構成:フレアドライブ/逆鱗/インファイト/神速
2枠目の炎タイプ。こちらの記事にある調整を使わせて頂きました。直前のランクマッチで使用していた弱点保険バンギラスも同様です。
調整は上記記事の通りですが、下記のメリットとデメリットを踏まえて技構成を一つじゃれつくから逆鱗に変えました。
ガラルビギニングでは専らキリキザン・ミミッキュ・オニゴーリ or リザードンを選出していたため、活躍の場面は控え目でした。
オニゴーリ@残飯
性格:臆病
特性:ムラっけ
実数値(努力値):179(188)-90-104(28)-101(4)-105(36)-145(252)
技構成:守る/身代わり/フリーズドライ/アイアンヘッド
弱体化されつつ強化もされた氷塊。キョダイマックス枠としてカビゴンの増加が見込まれていたため、崩し役と兼ねて引き続き採用。調整は試行段階なので、7世代以前のものを流用しました。7世代のように回避上昇に頼る立ち回りができないため、基本的にはミミッキュで麻痺を撒いて繰り出していくことになります。
特性:ムラっけですが、8世代から回避率と命中率が変動対象から除外されました。そのため、影分身を搭載して自ら回避を上げる or 他の能力が上がりやすくなったことを活かす両刀型が考えられます。具体的にどの相手にどの能力がどれくらい上がれば勝てるか、については状況に応じてダメ計を回しながら判断していくしかありません。7世代以前よりも、試合展開に影響を与える能力が上昇・下降しやすくなった印象を受けました。
技構成ですが、守る・身代わり・フリーズドライは確定として残り1枠。今回は、フェアリータイプへの打点や怯みによるムラっけ試行回数の増加、ダイスチルによるB上昇のためにアイアンヘッドを採用。
また、ダイマックスについてですが、ダイマックス技は必中かつ守るでも防ぎきることはできない(4分の1相当のダメージ)ためマイナス要因となりえます。しかし、ダイマックスを使えるのはこちらも同様です。ダイマックスによる耐久上昇、ダイウォール(守る・身代わりといった補助技ベース)でダイマックス技を防ぐ、ダイスチルによるBアップ、ダイアイスによる特殊打点・天候操作などこちら側にも利点があるため完全なマイナスとも言い切れません。
今回はアイヘ・フリドラ型を試しましたが、他の型も試しつつ8世代ベストの型を探っていきたいと思います。
ドラパルト@拘りスカーフ
性格:無邪気
特性:クリアボディ
実数値(努力値):163-172(252)-95-121(4)-85-213(252)
技構成:ドラゴンアロー/ゴーストダイブ/蜻蛉帰り/火炎放射
剣盾で初めて国際孵化に成功した色個体。ミラーで確実に先制するために最速スカーフ型で採用。ドラパルトミラーに刺したり、麻痺が入らずミミッキュも不利になるヒートロトムと撃ち合うのが主な役目です。また、ダイマックスで撃ち合った後スカーフ要員として取っておくこともありました。
型の多様さがドラパルトの強みの一つでありますが、ミラーでダイマックスを切られると負けるため安定はしない印象を受けました。ダイマックスを先に切らせて後続で切り返すか撃ち合うかの判断が難しかったです。なお、相手が使ってくるドラパルトはオニゴーリを意識してか特殊ベースのすり抜け個体が多かったです。
ミミッキュ@精霊プレート
性格:陽気
特性:化けの皮
実数値(努力値):131(4)-142(252)-100-x-125-162(252)
技構成:じゃれつく/影撃ち/電磁波/呪い
化けの皮が剥がれた際に定数ダメを受ける弱体化を受けたとはいえ、相変わらず強いポケモン。現環境では剣舞アタッカーが型が主流なので、時代に逆らう起点作り型を採用。
7世代の頃に比べて電磁波が読まれにくかったこともあり、刺さりはよかったです。ただドリュウズには勝てないので技枠のどれかを鬼火にするなど他の起点作り技も必要だと思いました。
持ち物はじゃれつくの火力を優先して精霊プレートにしていますが、電磁波が外れたら致命的なので広角レンズ採用も検討しています。
キリキザン@気合の襷
性格:意地っ張り
特性:負けん気
実数値(努力値):172(252)-194(252)-120-x-90-91(4)
技構成:アイアンヘッド/不意打ち/メタルバースト/剣舞
壁展開全般や悪戯心オーロンゲの対策、ダイマックスを前提にしない先発要員として採用。下記の記事を参考にさせていただきました。
参考元では剣舞の枠がハサミギロチンになっていますが、壁展開の壁に対抗することを優先して剣舞に変えました。記事にあるように襷メタルバーストで広く対応するだけでなく、序盤の有利対面で剣舞を選択すれば交代先に負担をかけられるなど先発要員として広く活躍してくれました。先発で鬼火持ちのロトムに当たったら腐りがちなのがネックになった以外は、安定して強かったです。
選出・立ち回り
基本選出
リザードン・オニゴーリ展開
+ + or
初手キリキザン→ミミッキュで後続のストッパー兼起点作り→リザードンもしくはオニゴーリを繰り出す。上述のようにリザードンの不手際が判明してからは、もっぱらオニゴーリを選出していました。8割以上の対戦は、この選出パターン。
ドラパルト軸対面選出
+ or+
初手ドラパルト→ウィンディないしはミミッキュ出し→ストッパーとして襷キリキザン。オニゴーリがどうしても出せない場合に、対面処理を行う選出。
ドラパルトかウィンディのダイマックスを切って優位に立つ立ち回りを心掛けました。
選出率
1位:ミミッキュ
2位:オニゴーリ
3位:キリキザン
4位:リザードン
5位:ドラパルト
6位:ウィンディ
最終成績
12月8日1時頃のものです。最終順位が確定次第、追記します。
12月10日追記
最終順位が確認できました。本戦には遠く及ばない成績でしたが、課題と収穫を多く得られた点で有意義な大会でした。また似たような大会があれば、より上位を目指したいと思います。
また参加証のバトルポイントですが、不思議なおくりものを受け取る⇒バトルスタジアムのご褒美を受け取るで獲得できます。
終わりに
8世代最初の公式大会で、キョダイマックスポケモンを試行したり相手にしつつそこそこの結果を残せたのは大きな収穫でした。対面したキョダイマックスポケモンの中では、カビゴンとラプラスが特に手強かったです。
ランクマッチシングルも残り3週間ちょっとになったので、今回得られた課題や改善点に対処しつつ上を目指していきたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。質問・感想・意見等がございましたら、twitter @Onigohri_362までお願いします。
8世代のオシャボ厳選とボールエフェクト
はじめに
ポケットモンスター『ソード・シールド』が発売して、そろそろ1ヶ月になります。クリアして厳選体制に入っている人もかなり増えてきたので、8世代のオシャボ厳選についての記事を書くことにしました。
本記事では、①8世代追加分を含む遺伝の仕様と②ボールエフェクトについて扱っていきます。
遺伝の仕様
孵化厳選をする際は、タマゴが発見される組み合わせで育て屋に預けます。その際、生まれてくる個体に親個体のボールが遺伝したり、預けた片親にもう片親の技が遺伝することがあります。
ボール遺伝
ボール遺伝の仕様については、基本的には7世代と一緒です。詳細については、下記の記事をご覧ください。
要点をまとめると、下記の通りになります。
- 種族が同じポケモン同士を預けた場合は、どちらかのボールが遺伝。
- 異なる種族同士を預けた場合(進化後も含む)は、メス個体のボールが遺伝。
- 性別なし×メタモンを預けた場合は、性別なし個体のボールが遺伝。
- 夢特性個体を孵化したい場合、メス個体 or 性別なし個体は夢特性でなくてはならない。
- マスターボール、プレシャスボールは遺伝できない(預け屋に預けた場合、生まれてくる個体はモンスターボールに入っている)。
預け屋における遺伝技の後付け
8世代における新たな遺伝の仕様として、タマゴ技の後付け遺伝が挙げられます。これは、種族が同じポケモン同士を預けた場合に、片方の親個体が覚えているタマゴ技をもう片方の親個体が習得するものです。次の図をご覧下さい。
上の図では、2Vヒンバス(催眠術を遺伝済み)と4Vヒンバス(黒い霧を遺伝済み)を預けています。預けてしばらく経つと(タマゴができるくらいの期間?)片方のタマゴ技がもう片方に遺伝しています。
7世代以前は、タマゴ技を増やす際にタマゴ技を習得した親個体を預けて孵化する必要がありました。今回の後付け遺伝の仕様により高個体値の親に遺伝技を搭載しやすくなったといえます。
また、預ける個体はオス同士・メス同士であっても後付け遺伝可能です。次の図をご覧ください。
上の図は、シリアルコードで配信されたニャースとNPCから交換*1してもらえる通常ニャースを預けたときのものです。今回の組み合わせでは、通常ニャースのタマゴ技である"とっておき"がキョダイマックス可能ニャースに遺伝しています。
注意点
タマゴ技を後から搭載できるようになった今作の仕様ですが、注意点が3点あります。
- 後付け遺伝させる技の個数分、技枠を開けておくこと
⇒タマゴ技を後付け遺伝する場合、遺伝させる技の個数だけ枠が空いていないと遺伝はできません。遺伝させたい技がある場合は、技忘れさせておきましょう。 - 預ける個体が同種族であること
⇒上記の図では、ヒンバス同士を預けてタマゴ技の後付け遺伝を行っていました。仮に片方が進化系であるミロカロスであったり、遺伝要員であるサニゴーンである場合はどうでしょうか。そのようなケースではタマゴ技を覚えた個体を孵化することは可能ですが、預けた親個体のヒンバスにタマゴ技を遺伝させることはできません。 - 後付け遺伝技は思い出せない
⇒厳選の早期に理想個体値の個体を入手して、タマゴ技を後付け遺伝したとします。その後、育成・運用過程で後付け遺伝技を忘れされた場合、思い出すことは不可能です。再度後付け遺伝し直すことは可能ですが、厳選時と同種族とは限りませんし遺伝させ直すのも面倒です。
このように、遺伝技の後付け遺伝は一見便利に見えて意外と不便です。そのため、遺伝技を一通り搭載して高個体量産までの手間を省く目的で利用するのが妥当ではないかと思われます。
ボールエフェクト
サンムーンをプレイしてた当時はキャプチャ設備がなかったため、直撮りしていました。今作ではニンテンドーSwitchからスクショできるようになったため、ボールエフェクトが大変わかりやすくなりました!
以下、順次紹介していきます。
モンスターボール
ポケモンを入れるボールの代名詞であるモンスターボール。近年、このボールに拘る人もかなり増えていると聞いています。エフェクトは白・水色ベース。6世代辺りからほぼ変わっていません。
スーパーボール
モンスターボールのエフェクトをベースにしつつ、にピンクの輪っかが加わっています。青・ピンクのエフェクトが似合うポケモンであれば、このボールに入れることも選択肢に入るのではないでしょうか?
後述のハイパーボール同様、オシャボとしての価値が認められにくいのは少々残念です。
ハイパーボール
黄色と白をベースにしたエフェクト。エフェクトは悪くないと思いますし、ボール自体もアニメ・漫画共に実力者クラスが使う格式高いイメージがあるのですが、オシャボとしての評価は低めなのが現状です。
プレミアボール
白・橙・黄をベースにした閃光と輪っかが飛び散るエフェクト。エフェクト自体は、ハイパーボールに似ています(オレンジが少し強めか)。
ボール本体のカラーリング(白・赤)は、白いポケモン(トゲキッスなど)に合っていると思います。
ヒールボール
白と淡いピンクをベースとしたエフェクト。フェアリータイプのポケモンに似合いそうなボールです。
似たようなエフェクトのボールとしてラブラブボールやドリームボールがあります。そのため、交換や対戦で見かける機会は少ないです。
ネットボール
水色の閃光と白いネットが飛び出すエフェクト。虫タイプ、特にねばねばネットを使うポケモンによく似合いそうなボールです。
※2020年2月15日追記
似たようなエフェクトを持つボールとして、コンペボールが挙げられます。ネットボールは水色基調、コンペボールは緑基調のエフェクトとなります。
ネストボール
リーフグリーンをベースとした霧のような濃いエフェクト。かなり派手だったので、紹介画像を2枚に分けました。草タイプだけでなく地面タイプにも似合いそうなボールです。
ダイブボール
泡が弾けるエフェクト。水タイプや青いポケモンといえばこのボールに入っているイメージがあります。水上のポケモンを捕獲する際にも役立つので、愛用されている方も多いのではないでしょうか。
ダークボール
紫色のオーラが飛び散る派手なエフェクト。悪タイプやゴーストタイプなどによく似合います。7世代以前から派手なエフェクトが続いています。
タイマーボール
オレンジの閃光と、黒い時計(針の色は赤)が飛び出してくるエフェクト。赤・黒を基調としたポケモンによく似合っています。
ゴージャスボール
ワット増殖バグにより、大量購入・大量売却されて資金源になっているボール。ボールエフェクトは、黄色の光沢やひし形のエフェクトが飛び散る豪華なものとなっています。黄色いポケモンや、ボール本体と同じ黒のポケモンに似合うと思われます。
クイックボール
水色のリングと黄色の玉が目立つエフェクトになっています。このボールに拘って入れている人をあまり見かけないので、この機会にエフェクトが似合いそうなポケモンを探してみてはいかがでしょうか?
リピートボール
ダイマックスレイドバトルで多くの人がメタモンに投げたであろうボール。オレンジ色のリサイクルマークのような矢印が特徴的なエフェクト。オレンジ色や炎タイプのポケモンに似合いそうです。
フレンドボール
ネストボールとは異なり、黄色・無色の泡と緑の泡が特徴的なエフェクト。こちらもかなり派手なので2枚に分けました。草タイプや緑系統のポケモンが入れられていることが多いボールです。
ルアーボール
水飛沫が弾けるエフェクト。ダイブボールのエフェクトと似ていますが、こちらの方がより派手に飛び散ります。釣りで入手できるポケモン全般に似合うボールであるといえます。
ヘビーボール
工具のナットを彷彿させる銀色の正六角形が飛び散るエフェクト。また、研磨をイメージしているのか十字状に光っているエフェクトも秀逸です。
金属のボディを持つ鋼タイプ全般、また結晶を想起させる氷タイプに合うボールといえます。
ラブラブボール
ピンクと白のハートが飛び出してくる可愛いエフェクト。フェアリータイプや可愛いポケモンを引き立てるボールであるといえます。
ムーンボール
蒼い光と三日月が弾けるエフェクト。月夜に映えそうなポケモン全般(悪タイプやゴーストタイプなど)に似合うものとなっています。ムーンボール自体のデザインも好評であるため、人気・希少価値はかなり高めです。
レベルボール
ピンクの輪っかに、青・緑・黄の玉が弾けるカラフルなエフェクト。ボール本体の色に合わせて、炎タイプが入っているイメージが強いです。
スピードボール
集中線と鮮やかな蒼い閃光が飛び出すエフェクト。疾走感溢れるポケモンに似合うエフェクトです。今作ではワイルドエリアの逆鱗の湖でロトムに遭遇できますが、シンボルエンカウントの時点でかなり動きが速いのでスピードボールが似合っていると言えます。
ドリームボール
ピンクと白を基調とした煙が飛び出すエフェクト。ドリボミミッキュは、8世代で新たに入手可能になったオシャボ個体です。7世代ではドリームボールを入手する手段がなかったため、7世代初出のポケモンをこのボールに入れることは不可能でした。
今作ではシュートシティのボールガイから入手できるようになったため、オシャボ厳選の可能性が広がりました。
ウルトラボール
前作のウルトラホールを思い出させるエフェクト。ウルトラホールのエネルギーが放射状に拡散しているようにも見えます。
ガラル地方にウルトラビーストはいませんが、8世代新規追加のポケモンをウルトラボールに入れてみても面白いと思われます。
マスターボール
二重の輪っかに、ピンクの玉や閃光などが飛び散るエフェクト。入手難易度に見合う派手なエフェクトです。
今回繰り出しているヌケニンですが、これまではツチニンがテッカニンに進化した際に手持ちに空き+モンスターボール所持してモンボ個体を入手するしかありませんでした。今作ではダイマックスレイドバトルで出現するため、ボール厳選が可能になりました。
プレシャスボール
赤い閃光とオレンジ色の玉が飛び出すエフェクト。プレシャスの名に相応しい派手なエフェクトです。このボールに入った個体として、早期購入特典で入手できるキョダイマックス可能なニャースが挙げられます。
また、ポケットモンスター『ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ』をプレイした方がゲットできる特別なピカチュウ・イーブイもプレシャスボールに入っています。
サファリボール
緑・ライムグリーンの閃光と、黄土色の煙が目立つエフェクト。湿地帯に生息しているポケモンや、緑・黄土色のポケモンによく似合うボールであるといえます。
サファリボールに入った個体は、サファリゾーン(HGSS・FRLG・RSE)やノモセ大湿原(DPt)で入手できます。このボールで捕獲できるポケモン一覧については、下記のリンク先をご覧ください。
コンペボール
緑色の閃光と、白いネットが弾けるエフェクト。ネットボールのエフェクトを緑基調にした感じになります。虫取り大会(HGSS)で捕獲できるポケモンをこのボールに入れることができます。このボールで捕獲できるポケモン一覧もどうように、下記のリンク先をご覧ください。
ポケモンHOME解禁と現時点における注意点
ポケモンHOMEがリリースされたことに伴い、過去作限定のボール、特にサファリボール・コンペボールに入った個体を連れてこれるようになりました。まだダウンロードされてない方は、下記の公式ページ内のバナーからAppleストア等に飛んでいただければと思います。
どちらにダウンロードしたらよいか迷う方もおられると思われますが、基本的には両方ダウンロードすることをおススメします。スマホ版でしかできないこと(対戦データの確認やポケモンHOME内での交換、不思議なおくりもの受け取りなど)とSwitch版でしかできないこと(ピカブイ・剣盾へのポケモン移動)があるためです。
なお、課金プランについては同じニンテンドーアカウントと連携していれば片方の媒体で行えば大丈夫です。
※現時点(2020/2/15追記時点)における注意点は下記の通りです。
- 剣盾に連れて行ける個体に限りがある
⇒ガラル図鑑に載っているポケモンのみ、ポケモンHOMEから剣盾に連れてくることができます。 - 8世代では、まだオンライン交換したり対戦(カジュアル・ランクマッチ)に使うことができない。
⇒ポケモンHOMEから連れてきたサファリボール・コンペボール個体は、例え孵化・育成した個体であっても現時点ではオンライン対戦に使えません。
上記の制限は、今後のアプデ等で解除されると思われますので最新の情報に注意しておきましょう。
ボールの入手先
ここまでボールエフェクトを扱ってきましたが、最後に各ボールの入手先を纏めておきます。
ショップで購入できるボール
下記の13種類のボールは、ポケモンセンター内のフレンドリィショップで購入できます。
プレミアボールについてですが、今作から、どのボールを購入しても10個買うごとに1つ付けてもらえるようになりました*4。例えば、ダークボールを66個買った場合は6個プレミアボールが付いてきます。
- ヒールボール:エンジンシティ(下層)。ショップ右側の店員から。
- ネットボール:同上
- ネストボール:同上
- ダイブボール:ナックルシティ(中央)。ショップ右側の店員から。
- ダークボール:同上
- タイマーボール:同上
- ゴージャスボール:シュートシティ(駅側)。ショップ右側の店員から。
- クイックボール:同上
- リピートボール:同上
ショップで購入できないボール
ショップで購入できないボールとしては、ガンテツボール(全7種類)やドリームボール、ウルトラボールが挙げられます。これらのボールは、各地のスタジアムにいるボールガイや掘り出し物市、ワイルドエリアのロトムラリーで入手することになります。
ジムチャレンジを進めていく際に、スタジアム入り口付近にいるボールガイに話しかけるとガンテツボールやドリームボールを貰えます。
- フレンドボール:ターフタウンのスタジアム
- ルアーボール:バウタウンのスタジアム
- ヘビーボール:ララテルタウンのスタジアム
- ラブラブボール:アラベスクタウンのスタジアム
- ムーンボール:キルクスタウンのスタジアム
- レベルボール:ナックルシティのスタジアム
- スピードボール:ワイルドエリアでロトムラリーを11回クリア
- ドリームボール:シュートシティのスタジアム
- ウルトラボール:ララテルタウンの掘り出し物市(クリア後)
また、クリア後のトーナメントで低確率でボールガイからガンテツボールを入手したという報告があります。参考までにこちらの記事をご覧いただければと思います。
終わりに
8世代では、ボール遺伝の仕様は7世代を踏襲しつつ、遺伝技の後付けやボールエフェクトに変化が見られました。
既存のボールバリエーションは7世代と変わりませんが、それまで手に入らなかった個体(6・7世代ポケモンのドリボ個体など)が手に入るようになりました。今後新しいボールが追加されたりオシャボ厳選の可能性が更に広がることを願いつつ、今作でのオシャボ厳選を楽しもうと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。質問・感想・意見等がございましたら、twitter @Onigohri_362 までお願いいたします。
アローラリーグ総括
はじめに
6月30日から熱闘が続いたアローラリーグも遂に終幕!サトシ君とククイ博士(もといロイヤルマスク)のエキシビションマッチもトリを飾るのにふさわしい勝負でした。
アローラリーグは、過去シリーズのリーグと比較してもかなり特殊なリーグだったと思います。以下、予選のバトルロイヤルから印象的な場面を振り返ってきます。
バトルロイヤル(129話)
アローラリーグの大きな特徴として、予選のバトルロイヤルが挙げられます。
バトルロイヤルは、アローラ地方で伝統となっているバトル形式です。ゲームや63話*1では4人のプレイヤーがリングにポケモンを繰り出していましたが、今回は規模が大きく異なります。
アローラリーグ予選の参加者総勢151名がバトルフィールドに立ち、各々が手持ちを1体繰り出して戦わせるものです。手持ちが戦闘不能になったらリタイアとなり予選敗退で、これを16人に絞り込まれるバトルが続きます。
フィールドでは、いわゆる反則行為がなく(意図的な対人攻撃くらいか?巻き込むくらいなら問題ない)ひたすらカオスなバトルが繰り広げられていました。サブタイにもある通り、バトルの様相はまんまスマブラです。
トレーナーが容赦なくダイレクトアタックに巻き込まれかねない危険なバトルの上に、島キングといえど4人で151人のバトルをどうやってジャッジするのかというツッコミどころも多々ありましたが、試みとしては斬新だったと思います。
アローラリーグ予選では、これまで見たことない戦略が垣間見えました。以下、随時紹介していきます。
仲間との結託
シンプルですが、非常に有効な手段です。どこから攻撃が飛んでくるのが分からない上に、不特定多数を相手にしなくてはならないとなれば手を組んだ方が勝ちやすいです。味方サイド同士で誤射して同士討ちなんて事態も防げますし。
メインキャラを残しつつ、参加者も一気に絞るという秀逸な選抜方法といえます。しかし、次回大会辺りでルール改定した方が、勝負としての公平性は保てそうな気がします。
漁夫の利狙い
仲間と戦って態勢が崩れた相手を仕留めにいくのもあり。こちらはリーリエが採った戦法。無論、仲間内での同士討ちは避けます。 バトルロイヤルでは単純に強い人だけでなく、手を組める仲間がいると露骨に勝ちやすいことが分かります。
ひたすら逃げ回る
バトルロイヤルは、151人の参加者が16人に絞り込まれるまで続きます。なお、他の参加者を撃破しなくてはならないなんてことはなく、勝負から逃げ回っていても最後の16人に残れば決勝ラウンドに進めます。
ひたすら戦火を避けて逃げ回るのも知恵と労力を使いますから、この辺りはロケット団の狡猾な立ち回りが効いてる印象です。
ただ、ピカチュウを見ると目の色を変えるミミッキュを連れていたために、バトルに乱入したりサトシのピカチュウに挑みかかろうとするなどハプニングもあり。この点からも、逃げ回るのにも相応の力がいるといえます。
勝負の先送り
サトシのピカチュウが攻撃を受けそうになった時、グラジオが助け舟を出して協力して他のトレーナーを撃破しています。その上で、2人は勝負を決勝トーナメントと決めて別れています。ここでもバトルロイヤルのフリーダムさが見られます。
次回大会辺りで、目が合ったら or 半径数メートル以内に接近したらバトルしなくてはならない(=勝敗をつけなくてはならない)みたいなルールにならないですかね、これ。
孤軍奮闘し勝ち上がるグズマさん
ポケモンスクール勢が手を組んだり、助け合ったりしているなかでグズマさんだけは1人で戦っていました。グズマさんに挑みかかるトレーナーがどれくらいいたかは分かりませんが、並み居る相手に単身で勝ち抜くあたり強さが伺えます。
仲間と協力するポケモンスクールの面々と、スカル団員やプルメリの間接的な支援(イリマのイーブイの足に怪我を負わせる)はあれど1人で戦っていたグズマさんが見事に対比されています。
バトルロイヤルを勝ち抜いたトレーナーは強いか
バトルロイヤルを勝ち抜いた16名は強いと言えるか。言えるとしたらなぜそう言えるか。またバトルロイヤルで敗退したトレーナーは弱いのか。
これはかなり人によって意見が分かれると思います。例えば、予選敗退したカヒリさんと勝ち抜いたマオ・リーリエが1対1のバトルをしたらどちらが勝つでしょうか。おそらくカヒリさんでしょう。しかし、勝ち抜いたのはマオ・リーリエ。
強さというものが、純粋にトレーナーの技量・ポケモンのスペックをぶつけ合うものだとしたらバトルロイヤルでは測れないことになります。では、バトルロイヤルで測れるものは何か?候補の一例として「したたかさ」が挙げられます。
バトルロイヤルは場所にもよりますが、どこから攻撃が飛んでくるか・そもそも1 vs 1のバトルとも限らないという点で強者泣かせな側面を持っています。サトシも何度か危ない場面はありましたし、実力者であろうカヒリさんは敗退しています。そのような不安定なフィールドで対策を講じて勝ち上がるしたたかさというのを測っていたのではないでしょうか?
したたかさを強さの一つとして認めるかどうかは人それぞれですが、個人的には勝ちあがったトレーナーは少なくともこのルールでは強いと考えています。「強い者が勝つのではない、勝ったものが強いのだ」というフランツ・ベッケンバウアー氏の言葉もありますし。
バトルロイヤルによる予選方式は多くのトレーナーに勝ち上がる可能性を与える一方で、純粋なバトルの実力者だけが勝ち上がるとは限らない点で博打要素も見受けられます。ククイ博士もといロイヤルマスクの夢であったアローラリーグもまだ第一回目。次回辺りでは何らかのルール改正があるかもしれません(是非見たかった…!)。
決勝トーナメント1回戦
決勝トーナメント1回戦は、バトルロイヤルを勝ち抜いた者同士による1対1のバトルです。ここからは純粋にポケモンバトルの実力がある者が勝ち上がることになります。バトルロイヤルでは仲間と協力して勝ち抜いたマオやリーリエは、この1回戦で勝負の舞台から去っています。
放映時はなぜこの2人を決勝トーナメントの舞台に上げたのか、という疑問の声もかなり見受けられましたが、ルールに則って勝ち上がりその後のステージで敗れ去ったので不満は特にありません。予選も決勝トーナメントもどちらも勝負の世界です。
また、グズマさんが6世代の女王:メガガルーラを相手に親ガルーラ・子ガルーラ・ハッサムが一直線になって攻撃し辛いように立ち回る戦法で勝利しています。トレーナーとしてのレベルが低いリーリエやマオには卑怯呼ばわりされていましたが、メガガルーラの特徴を逆手に取った立派な戦略です。
決勝トーナメント2回戦
決勝トーナメント2回戦ともなると、純粋に実力でバトルに勝った者同士の対戦なので、勝負のレベルも上がってきます。2回戦では、サトシやグズマのバトルが特に物議を醸しました。以下、順次扱っていきます。
サトシのモクロー
サトシのモクローは、ハウとのバトルにおいて居眠りしたりポンチョやフェザーダンスによる身代わり戦法を駆使して勝利しています。まず居眠りに関しては、過去にカントーセキエイ大会でサトシのゼニガメが眠り粉を受けて戦闘不能扱いされたり、リザードンが居眠りによる戦意喪失扱いされて敗退していることを引き合いにかなり批判されています。
カントーセキエイ大会の前例に照らし合わせたら今回のジャッジはおかしいか?これを考える上で、まずセキエイ大会とはアローラリーグは異なるルールによって運営されているという前提に立つべきではないでしょうか?セキエイ大会で眠り粉を受けただけで戦闘不能扱いされたのは謎が多い部分ですが、少なくともアローラリーグでは眠り状態は戦闘不能ではありません。また、モクローは起き上がった後バトルを再開してますので、戦意喪失でもありません。したがって、セキエイ大会を引き合いにモクローが卑怯呼ばわりされる筋合いはありません。
では、一度ジャッジのクチナシさんが戦闘不能のジャッジを下してから審判長のハラさんが判定を覆したことはどうか?これに関しては、まずジュナイパーがモクローを完全に戦闘不能にできなかったのは事実です。そこにクチナシさんのミスジャッジが重なってハウ君に想定外の不運な事態になったと言わざるを得ません。落ち度はジュナイパーとクチナシさんにあるため、モクローが叩かれる根拠はここにもありません。
ちなみに物言いをしたハラさんはどうか?審判長であるハラさんが誤審を見逃していては大会運営の権威に関わります。ましてや孫の勝利のために不当なジャッジを容認してしては、勝負にもハウ君にも泥を塗ることになります。ハウ君とジュナイパーにとっては理不尽極まりませんが、物言いは正しい判断だったと思います。
モクローのポンチョやフェザーダンスによる身代わり、変わらずの石を所持していることはどうなのか?これについては、ポンチョがかなり黒すれすれのグレーかと思います。ポンチョを意図的もしくは偶然回避用に使ったとしても、審判に反則のジャッジをされてない以上モクローはルール違反はしていません。これは仮説ですが、プロレスのコスチュームみたいな扱いを受けたのではないかと見ています。アローラリーグは、主催がプロレスラーなことから互いの全力を受け止めるプロレス風のバトルが目立ちます。モクローのポンチョもこのようなバトルであればトリックプレーの一つとして認められたのではないでしょうか?
フェザーダンスについては、技の運用の内なので卑怯とまではいかないと思います。変わらずの石ですが、ウォーグル相手にはかなり有効に効いてましたが、ジュナイパー戦ではむしろ足を引っ張っていたので勝利に貢献していたとは言い難いです。
モクローとサトシが批判されるような部分はポンチョくらいだと思いますが、石に足を引っ張られながらもポンチョやミスジャッジで勝ち抜いた以上、もやもやが残ったり試合展開に嫌悪感を覚える人が多いのは仕方ないといえます。
最後に立て続けに不運に見舞われたハウ君ですが、サトシのバトルが批判された一方で彼の器のデカさが光っていました。目の前で勝利を取り消されても即座に切り替え(動揺はしていたかもしれませんが)、バトルフィールドでは決して涙を見せず握手に応じる。次回大会辺りでもっと強くなってサトシにリベンジして欲しいところです。
グズマさんのバトルスタイル
決勝トーナメント2回戦でより顕著になったのが、グズマさんのバトルスタイルです。
グズマさんのバトルスタイルは、相手の動向を的確に見抜きグソクムシャのタフさを活かして押し切る傾向が強いです。ハッサムの場合は、機敏性を活かした立ち回りやとんぼ帰りなどクレバーな側面が見られます。
ギャング団のボスという立場から卑怯・悪質な手を使うイメージが強いですし、またしてもリーリエやマオなど実力・戦術理解が未熟なトレーナーからは揶揄されています。またスイレンとのバトル後に明らかになりましたが、観客からはほとんど応援されていません。
スカル団のボスという肩書きを考えれば、閉鎖的なアローラ空間で応援される余地はほぼないと思います。ただバトルにおいて反則はしておらず、メガシンカやZ技を戦略とパワーで真っ向から打ち破っているため視聴者の立場からしてみれば一定の理解・応援はできます。
アローラリーグって、プロレスみたいなところあるよね。主催たるククイ博士がプロレスラーだから、その辺の色が強い。
— Dai@ポケモン・アイカツ (@Onigohri_362) August 11, 2019
モクローが寝てもバトル続行が認められたり、グズマさんの立派な(?)戦術に観客一同静まり返るのもプロレス風バトルが暗黙のうちに望まれてるからかな。
#アニポケ
— とり。 (@pktorisky) August 11, 2019
「グズマさんの方が正々堂々戦ってる!」っていう意見が多いのに対して私は正直うーんって思った。
ポケモンカードの公式戦という競技の場で運営の手伝いをしたことあるけど…マナー悪い選手はルール違反してなくても認められんわ。前科持ちなら尚更。みんなグズマに夢持ちすぎじゃない??
ここまでグズマさんのバトルを見た結果、個人的にはプロレスのヒールに近いところがあると感じました。粗暴なところはあれど、ルールには則り戦略とパワーで勝つ。モクローの件でサトシのバトルが視聴者から批判されているのに対し、グズマさんのバトルは観客やポケモンスクールの面々から非難されています。プロレスの視点から見てもこうした両者の対戦カードは燃えるものがあります。
サトシくんのメルタンやモクローの「トンデモビックリ規格外の戦いかた」と、グズマの「ルールの範囲内だけど”ほめられたものじゃない”と言われてしまうアローラでは規格外の戦いかた」が、規格外同士で、ぶつかる流れに、どんな展開になるのか、オラはワクワクしてきました。
— 篠原 隆 (@takashi11290141) August 12, 2019
準決勝
この辺りになると、他のリーグと比べても遜色ないハードなバトルが繰り広げられています。最初にカキ vs グラジオ、次にサトシ vs グズマです。いずれも高度な駆け引きが見られますので、本編を観ることをおススメします。本記事では、サトシとグズマさんの勝負に焦点を当てます。
遂に訪れたサトシとグズマさんの因縁の一戦。最初にバトルしたときは、グズマさんが優勢でサトシが反撃に出た辺りでグソクムシャの特性:危機回避が発動して水入りとなりました。その時のククイ博士とのやり取りで、グズマさんが実は逃げているという印象を視聴者に与えています。
ククイ博士の設立したアローラリーグの表舞台に、グズマさんがルールを守ってまで乗り込んできた理由としては、ククイ博士の信念やアローラを支配する伝統の否定があると思います。それはククイ博士の面影を想起させるサトシとのバトルにおいても同じ。グズマさんにとっては、ククイ博士しか見据えてませんがサトシとのバトルを通じて自らの弱さと向き合っていきます。
ゲームにおける危機回避の仕様とは異なり、技を撃たれる直前でハッサムに交代して不利な展開にさせられたのは考え物です。しかし、それを差し引いてもグソクムシャのタフさと彼(?)の背中を見て変わったグズマさんの雄姿が目立ちます。
島巡りやZ技といったアローラの伝統を否定してきたグズマさんが、ククイ博士が作った大舞台でZ技を受けたグソクムシャの背中を見て変わる。大会を通じた成長はかなり大きいと思います。またゲーム原作の伏線も回収してくる辺り、メディア展開にも沿っています。
アニメのポケモンは、ゲームとは全く別物ですし準拠しなくてはならないなんてことはないと思います。むしろ過去の作品はもっとゲームとかけ離れていました。その中でも、アニポケサンムーン編は、3年以上かけて忠実にSM・USUMをなぞっていると思います。
サトシ vs グズマのバトルは最終的にサトシの勝利で終わりましたが、試合後の展開はエキシビションマッチに勝るとも劣らない最高のものだったと思います。グズマさんがグソクムシャに手を貸し、ハラさんが最初に拍手を送り、観客もそれに続きます。そしてククイ博士も次回大会に誘い、グズマさんは再出発。
かなり長くなりましたが、サトシとグズマさんの一戦は、単なる勝敗以上にグズマさんが新たな一歩を踏み出す一戦となりました。同時に伝統が支配している閉鎖的空間であるアローラにおいても一抹の希望を見出すことができました。
次回大会辺りで勝ち抜いたグズマさんとサトシのリターンマッチ、そしてククイ博士との大勝負が是非見たいです。
決勝
決勝の組み合わせは、サトシとグラジオ。作中トレーナーの中でも、実力は拮抗(グラジオが上回っていた?)しているため対戦カードとしても申し分ないです。
サトシとグラジオの対決は、 3度に及んでいます。いずれの勝負でもサトシはグラジオに勝つことはできず、シリーズを通じて高い壁として立ちはだかっています。
もっともグラジオ側もサトシの成長を好意的に捉えているあたり、シゲルやシンジ、シューティーといった嫌味な部分はありません。ストーリーによく絡んできて、裏で悪の組織と繋がりがないアランに近いイメージです。
決勝の3vs3のバトルでは、シルヴァディ・ルガルガンといったこれまでサトシとのバトルに出てきたポケモンの他に、モーン博士*2の手持ちだったゾロアークを加えています*3。
ルガルガンに化けていたゾロアークとピカチュウのバトルは、無限暗夜への誘いをウルトラダッシュアタックで突き進んで相討ちというアニメならではの結末を迎えます。
ピカチュウとゾロアークが引き分けに終わった後、これまでのリーグではなかった光景が見られました。すなわち、両者が談笑する光景です。他の地方リーグであれば、すぐに次のポケモンを繰り出して次のバトルが始まるところですが、互いに笑っています。
このシーンについては、描き方がまずかったと思います。露骨に時間を取る談笑シーンを使わなくても2人が全力でバトルを楽しんでいる様子を表現することはできたと思います。バトルに緩急があるのは大歓迎ですが、繋ぎの部分はテンポよくして欲しかったところです。
仕切り直して始まったラス一は、ルガルガン同士の対決になりました。これまで3回の対戦で負けてきたのはいずれもルガルガンだったので、ルガルガンで決着を付けるのが相応しいと思います。
サトシとグラジオの対決は、過去シリーズのライバルと比べると繰り出す手持ちの数が少なかったのもあり見劣りする部分があったかもしれません。また、シゲルや初期シンジみたいな超えるべき壁というほど壮大なライバルでもなかったので盛り上がりが控え目なところがありました。それでも、これまでの対戦を振り返りつつ両者の全力をぶつけ合うバトルを展開し、最後は黄昏ルガルガンのハイブリッド性能を存分に発揮してくれた点で評価できます。
アローラリーグでは、遂に決勝のバトルを制してサトシがチャンピオンになりました!過去の作品と比較されて地元のバトル大会といわれてしまう面は仕方ないですが、アローラ地方で指折りの強者に勝った結果なので立派なチャンピオンだと思います。今後は、大会の権威付けのためにも他地方からのチャレンジャーも招き入れて、アローラ特有の閉塞感を打破すると同時に大会のレベルアップも成し遂げいって欲しいです。
エキシビションマッチ
アローラリーグの初代チャンピオンとなったサトシは、ロイヤルマスクとのエキシビションマッチを行う権利を得ます(真のチャンピオン決定戦)。
しかし、直前のアクジキング乱入への対応でロイヤルマスクの仮面が剥がれて正体がククイ博士と判明してしまいました。
サトシとロイヤルマスク、もといククイ博士の対戦は6対6のフルバトルで、特にニャヒートとガオガエンを中心に進められます。ククイ博士の手持ちも徐々に明らかになりつつ一進一退の攻防はエキシビションマッチに相応しい白熱したものでした。以下、代表的なカードを扱っていきます。
ニャヒート vs ガオガエン
数多あるエキシビションマッチの対戦カードの中で、サトシ・ククイ両者が大一番に据えていた対戦カード。ニャヒートにとっては、ニャビーだった頃に敗れて以来のリベンジマッチの機会です。
またサトシ・ニャヒートはセレビィの力で一度過去のククイ博士に会っていて(博士のガオガエンはニャビー)、この邂逅が後のアローラリーグ設立の伏線となっています。
互いに譲らないバトルの果てで、双方が最後に撃ったZ技はホノオZ。過去にオーロットのオー爺から譲り受けたホノオZでぶつかり合う熱い展開になってます🔥
サトシとククイ博士のホノオZ、どっちもオー爺(オーロット)から貰ったものなんだよね…
— もりたKN@ (@morita_kn) October 13, 2019
あの出会いがあって今があるんだって思うと泣けてくる✨😭#アニポケ pic.twitter.com/AGPiBsfehk
激闘の果てにニャヒートはガオガエンに進化して立ったまま戦闘不能になりました。カプ・コケコ相手にも進化した強さを見せてもよかったのかもしれませんが、限界を超えた激闘を見せてくれたので大いに満足です。
ニャヒートのガオガエンへの進化、アローラの格闘チャンピオンであったロイヤルマスクのガオガエンを下したことでチャンピオンベルトを受け継いだ様に見えるの控えめに言って神だと思ってる#anipoke #アニポケ pic.twitter.com/cloLw02GUR
— ナシマヤ@サトピカZ (@MARSKPOKEMON) October 13, 2019
カプ・コケコ vs ピカチュウ
4週に渡ったエキシビションマッチの締めくくりはピカチュウとカプ・コケコとなりました。 アニポケサンムーン編の初期*4から登場し、サトシにZリングを渡して大試練に挑むきっかけとなっています。またグラジオ同様、ピカチュウと何度も対決しています。
サトシがアローラで大試練に挑むきっかけを作り、また幾度となくそびえ立つ壁となってきたカプ・コケコとの対決が神試合であることは火を見るよりも明らかです。詳細は、こちらの記事をご覧いただければ分かりやすいと思います。
余談ですが、サトシが1000万ボルトを放つのに使ったピカチュウZのベースはデンキZです。このZクリスタルを渡したのは他ならぬカプ・コケコです*5。
このようにアローラリーグではストーリー開始当初からの長いライバル関係が幾重にも張り巡らされていて、時には過去にも遡るほど重厚なエピソードがあって1試合1試合成立しています。アローラ地方の4つの島を軸に、サトシが人やポケモンと出会い、バトルや生活の中で積み上げてきた全てがリーグの舞台で発揮されているわけです。この辺りからもストーリー構成の秀逸さを感じました!
対戦カードの操作・決着の引き延ばし
初代アローラチャンピオンとなったサトシと主催であるククイ博士とのバトルは、単純な勝敗以上に、誰が誰を相手にするかといった対戦カードの組み合わせをかなり重視していたと思います。
ガオガエンとニャヒートのぶつかり合いから始まり、双方他のポケモンとのバトルは最低限にして体力を温存しています。ガオガエン vs ルガルガンの場面では、瀕死寸前まで追い込まれたとしても倒すことはできそうです。それでも一旦は引いて後続のウォーグルに任せるあたり、ニャヒートとの大一番を重視していることが伺えました。
ただエンペルトがメルメタルに倒された場面や、モクローがフシギバナに負けた場面では対抗要員として出動しています。その後は再び相まみえるまで控えに戻るなど双方が暗黙の了解のもとバトルの対戦カードを操作していたと言えます。
アローラリーグ、特にエキシビションマッチのプロレス風展開を象徴する場面はこちら。ククイ博士が観客にカプ・コケコのバトルを見たいか問う場面です。バトルとしては、対戦相手のサトシ君の了承があればおそらくカプ・コケコをフィールドに送ることは可能でしょう。しかし、観客はどう思うか・守り神の乱入によるバトルを受け入れてくれるかを確認しています。ククイ博士もといロイヤルマスクにとって、参加者はもちろん観戦者も一体となって作り上げるのがアローラリーグであると伺えます。
サトシ vs ククイのバトルはエキシビションマッチなので、単純な勝敗以上に試合の盛り上がりも大事な要素です。順番に繰り出していってラス一同士で決戦よりも、切札を温存し、最高に盛り上がる場面で全力をぶつけ合う。それなりに双方が仕組んだカードであったにも関わらず、盛り上がりの場面が多くあったため、構成の巧さに唸らされた次第です。
このような構成・試合展開は一歩間違えれば間延びしてしまったりおそれもあります。また、ククイ博士の当初の6体目(何だったんでしょうか?ペリッパー説が比較的有力)がカプ・コケコによって出番を奪われています。カプ・コケコとピカチュウの最終決戦はアニポケサンムーン史上最高の作画と迫力で描かれたため不満はありませんが、唯一挙げるとしたら6体目の扱いです。
サンムーン編開始当初から物語に絡み、Zクリスタルを授け、サトシのピカチュウと幾度となく絡んでるカプ・コケコとの一戦以上に盛り上がるラストバトル*6は思いつきませんが、6体目が犠牲となった点は少し考えさせられました。
アローラリーグの特異性
アローラリーグは、これまで開催された他のポケモンリーグ(カントー・ジョウト・ホウエン・シンオウ・イッシュ・カロス)とはかなり異なる部分が多いです。特に顕著なのは地域性だと思われます。
地域色
アローラ地方は、4つの島*7からなる地方です。地域に根差した交流があるといえば聞こえはいいですが、同時に島の流儀や伝統色がかなり強く支配しているとも言えます。
では、この地域色が今回のリーグでどのように反映されたか?1つ目には、参加資格に制限を特に設けてない点が挙げられます。他の地方であれば、リーグが開催される地方のジムバッジを8つ*8手に入れることが出場条件になっています。そのため、誰でも参加できる大会では、ポケモンリーグというよりは地域のバトル大会みたいだという意見も見受けられました。4つの島で大試練を全て達成した人に参加資格を付与する選択肢もあったのでしょうが、アローラリーグ自体が第1回であるため多くのトレーナーに参加して欲しいこと、バトルロイヤル→決勝トーナメントという方式であってもアローラチャンピオンを選定することは可能であるという判断が働いたと見ています。
2つ目としては、グズマさんやスカル団に対する観客の反応です。グズマさんが率いるスカル団は、アローラのあぶれ者達で構成されるギャング集団です。彼らの中には、アローラの島風土に馴染めなかったり島巡りで挫折した者が多くいます。アニメ本編・ゲーム内でもスカル団というのは忌避される存在です。
アローラ地方にはスカル団のような存在を生み出すバックボーンがあります。それに対する完全な回答はなく、受け皿となっていたのがグズマさん率いるスカル団です。準決勝でボスたるグズマさんが大きく変わり、ハラさんをきっかけにアローラの人々から一定の評価を得られたことで、今後少しずつでも変わってくるかもしれません。
終わりに
アローラリーグは、サトシ君が優勝した上にククイ博士やカプ・コケコにまで勝って完全勝利するという過去に例を見ない快進撃となりました。
セキエイ・ジョウト・ホウエン・シンオウ・イッシュ・カロスとサトシ君が辛酸を舐めてきた場面を見てきた身としては、感慨深いものがありました。
各地方のリーグには、それぞれの面白さ・欠点があると思います。フィールドやバトルの多様性、観客と一体となって作り上げるクライマックス、ライバルとの因縁・カタルシス、舞台からの去り方などリーグによって様々です。こうした要素を踏まえても、今回のアローラリーグはアローラらしさをいかした挑戦をすると共に主人公サトシを始めとするあらゆる参加者のバトルを熱く描いてくれたと思ってます。本記事では取り上げきれなかったバトルも含めて全試合において対戦当事者のスタイルが色濃く出ていました。
最後になりますが、願わくば次回大会でリターンマッチに応じるサトシ君や再出発したグズマさん、 悔しさをバネに強くなったハウ君の雄姿をみたいところですが、まずは新シリーズを楽しみたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。質問・感想・意見等がございましたら、twitter @Onigohri_362 までお願いします。アローラ!