【USMシングル S11使用構築 最高最終2049 97位】ヌル始動『零の執行人』スタン
はじめに
USMシングルシーズン11お疲れ様でした!私はTNハシビロコウ、TNにしなカヅキで潜っていました。前者のROMで最高最終レート2049・最終順位は97位を記録しました。
今期は、ゲッコウガに強めに出られる起点要員としてタイプ・ヌルを採用した構築を使用していました。以下、概要となります。
構築概要
毎シーズンパーティに入れているオニゴーリは確定で、起点作成・対面操作要員としてタイプ・ヌルを採用。タイプ・ヌルの電磁波を受けにくるカバルドンに対し、後攻とんぼ帰りから負荷をかけるために命の珠ゲッコウガを採用。また広い技範囲を持ちつつ、こちらのマンダに対して繰り出される相手のマンダを返り討ちにできる最速両刀マンダを採用。ここまででキツい電気の一貫を切ると同時に削りや起点回避もこなせる襷ランドロスを採用。最後にギルガルドやテッカグヤに対して炎打点を持ち、アーゴヨンやドヒドイデに奇襲をかけるために地震メガバシャーモを採用しました。以下、個別解説となります。
個別解説
タイプ・ヌル
生意気:201(244)-116(4)-130(116)-116(4)-146(140)-57 ※S個体値1
電磁波/凍える風 or 毒毒/蜻蛉帰り/吠える
今期を共に駆け抜けた相棒。現環境で猛威を奮っているゲッコウガに対して圧倒的に強い起点要員として採用しました。ある特定のメジャーポケモン(PGLの使用率上位)に対して強く出られるのであれば、マイナーポケモンであっても存分に役割を果たせると思われます。調整は、下記の記事を参考にさせていただきました。
以下、タイプ・ヌルの長所と短所を扱っていきます。
長所
- 後攻とんぼ帰りによる対面操作
タイプ・ヌルの強みの一つとして、対面操作が挙げられます。タイプ・ヌルのS実数値は最遅ギルガルド抜かれとなっているため、多くの対面を後攻とんぼ帰りで操作することができます。また電磁波を入れた後でも、S実数値116以上の相手であればヌルが後攻とんぼ帰りを決めて対面操作をできます。S操作後の対面操作は、他の起点要員との差別化要素と言えます。
- 起点回避性能
起点作り要員であるタイプ・ヌル自身が起点になってしまっては、元も子もありません。吠えるで積み技をリセットしたり、凍える風でS操作することで自身が起点になることを防ぐことができます。
- 輝石による耐久性能
起点作り・対面操作要員としての役割遂行を支えるのが、輝石による耐久性能です。今シーズンは2ROM併せて、少なくとも100回は初手ゲッコウガ対面があったため、特殊耐久が大いに役立ちました。参考までに、激流ゲッコウガから受ける技の被ダメを載せておきます。
C155ゲッコウガ 熱湯 Zハイドロカノン 通常時 33~39ダメージ(16.4%~19.4%) 81~96ダメージ(40.2~47.7%) 激流発動時 49~58ダメージ(24.3~28.8%) 120~142ダメージ(59.7~70.6%)
タイプ・ヌルが最も仕事ができる相手であるゲッコウガだけでなく、他の物理・特殊アタッカーの攻撃も2発以上耐えられることが多いです。以下、幾つかダメ計を載せておきます。
C156ミミッキュ じゃれつく Zじゃれつく 通常時 42~49ダメージ(20.8%~24.3%) 85~102ダメージ(42.2~50.7%) A2段階上昇時 82~97ダメージ(40.7~48.2%) 171~202ダメージ(85.0~100.4%)
・A197メガメタグロスのアイアンヘッドが60~72ダメージ(29.8~35.8%)、アームハンマーが100~118ダメージ(49.7~58.7%)。
・C222メガゲンガーのヘドロ爆弾が52~63ダメージ(25.8~31.3%)、気合玉が92~110ダメージ(45.7~54.7%)。ヘドロ爆弾で毒を引いた場合、毎ターン最大HPの8分の1にあたる25ダメージ受けることに注意。
- トリル下での時間稼ぎ
タイプ・ヌルに限った話ではないかもしれませんが、トリル下では逆に大抵のポケモンに対して先手を取ることができます。また、電磁波で対面している相手のSを落として後攻とんぼ帰りを決めたり(このムーブは、対面しているポケモンのSが113以下であることに注意)吠えると併用することでトリルターンを稼いだり、トリルエースの行動を阻害することができます。
短所
- 自身の決定力が無いに等しい
タイプ・ヌルの最大の短所としては、自身の決定力が壊滅的にないことです。蜻蛉帰りで負荷をかけられる相手と言えばゲッコウガくらいです(これだけでも十分価値はある)。したがって、対面操作や起点作り、トリル下以外の場面ではほぼ仕事ができない辛さがあります。 - 回復手段がない
輝石持ちとして比較対象に上がるポケモンとして、ポリゴン2が挙げられます。タイプ・ヌルには自己再生などの高速回復技はない(眠るはある)ため、耐久力を活かした受けは限られてきます。
他にも鈍足ポケモン特有の追加効果(凍り・怯みなどが特に痛い)に泣くことや、身代わり択に負けて削られると役割を果たせなくなることに注意。種族値が偏っていたり数値が足りないマイナーポケモン全般に言えることでしょうか。
またメガルカリオやキノガッサ、フェローチェ、バシャーモ選出画面にいる場合は、選出を控えるか裏に安定した引き先を用意する必要があります。輝石により耐久力が大幅に強化されているとはいえ、格闘アタッカーの攻撃を受けたら為すすべもなく落とされます。
オニゴーリ
臆病:177(172)-76-107(44)-102(12)-104(28)-145(252) ※A個体値0
守る/身代わり/絶対零度/フリーズドライ
- H:16n+1(残飯による回復効率最大)
- A:個体値0。身代わりが一致イカサマを耐える。
- B:A197メガメタグロスのバレパンを受けた後で身代わりを残せる。
- D:2段階上昇かつEFが切れた段階で、C145カプ・コケコの10万ボルトを身代わりが耐える。C200カプ・テテフのPFサイキネ確定耐え(148~175ダメージ)。
- S:最速
本構築における零の執行人。上述のヌルによる電磁波や凍える風によるS操作や後攻とんぼ帰りのサポートを受けて、ムラっけや絶対零度の試行回数を稼いでいきます。回避や耐久能力値を上げて身代わりを残した後や、Sを上げて行動順序が早くなったときなどに絶対零度を当てに行くことが多いです。
ランドロス
陽気:165(4)-197(252)-110-x-100-157(252)
ステルスロック/岩石封じ/地震/大爆発
ここ数シーズン使い続けている最速襷ランドロス。搭載している技のうち、最も多く選択したのは大爆発です。大爆発の使用用途としては、下記に挙げる通りです。
- 削り、相討ち
大爆発の威力は250と一致地震を大きく上回ります。そのため、削りの手段の一つとして扱うことが可能です。主に撃つ相手としては、カプ・レヒレやカプ・テテフ、ラティ系統が挙げられます。上記のポケモンと相討ちないしは大きく削りを入れることにより、後続のバシャーモやゲッコウガの通りがよくなることがあります。 - 自主退場、起点回避
初手で身代わり持ちボーマンダやパルシェンと対峙してしまったり、オニゴーリの起点となるクレセリアやポリゴン2を始めとする耐久ポケモンの前から速やかに退場したい場合にも使用しました。読まれてゴーストタイプに変えられると悲惨なことになりますが、通ることは多かったです。
メガボーマンダ
無邪気:171(4)-192(212)-151(4)-145(36)-99-189(252)*1
捨て身タックル/大文字/流星群/地震 or 身代わり
ミラーの対面処理を意識したガチ両刀最速マンダ。主な役割としては、下記に挙げる通りです。
- ミラーを制する
目には目を、歯には歯を、ボーマンダにはボーマンダをぶつけることで対処していました。ボーマンダミラーの場合、後発のマンダが威嚇を盾に舞って一気に全抜きされるおそれがあります。そこで、威嚇を入れられても影響のない打点である流星群で処理を図りました。 - 広い技範囲を押し付ける
当パーティでは、バシャーモを選出しない場合にヒードランやエンペルトがかなりキツくなりました。そのためボーマンダにも地面打点を搭載し、処理ルートを確保しています。流星群や大文字を撃った後だと読まれにくいです。
積み技である竜の舞が欲しい時もありましたが、技範囲と最速以外のミラーに先手を取れることを評価してこの型を使い続けました。
メガバシャーモ
155-233(252)-100-x-101(4)-152(252)*2
守る/フレアドライブ/飛び膝蹴り/地震
若干珍しい(?)地震搭載メガバシャーモ。ドヒドイデやアーゴヨン、ミラーを制したり、守る持ちヒードランに対する安定択として採用。ヤミヌケループやランド馬車カグヤを崩しにいく役割もあります。
上記のような奇襲・メタ以外にも、カプ・コケコやゲンガーなどに対して反動技であるフレドラを撃ちたくない場合にも重宝しました。
めざ氷がないため、ボーマンダやグライオンに対する有効打はありません。バシャーモ代わりに両刀マンダを出すか、オニゴーリやヌルとセットで選出していました(再戦時は選出択になる事がありました)。
ゲッコウガ
147-x-88(4)-155(252)-91-191(252)
猛威を奮っているポケモンは自分でも採用。水Zや襷、スカーフが多めの印象でしたが、敢えて時代の潮流に逆らう命の珠で採用しました。
命の珠を採用したことにより、主にジャラランガを確実に狩れるようになったりZなしでHD方面に厚いカバルドンを一撃で落とせるようになった(HD特化カバルドンに対して、珠草結びで203~242ダメージ(94.4~112.5%))メリットがあります。
襷の行動保障やZの瞬間大火力はなく、珠ダメで削れたことが原因で落とされたりしたことも多くあったため、これはまた別のポケモンといった印象でした。
主な選出パターン
タイプ・ヌルを選出する場合
+α
基本選出。選出画面にゲッコウガが入れば、ほぼ確実に出てくるのでタイプ・ヌルを先発させてアドバンテージを取りに行きます。タイプ・ヌルを出せる相手であればオニゴーリも出しやすいため、セットで選出することが多いです。3枠目は電気の一貫を切りたければランドロス、カバルドンを重く見るのであればゲッコウガ、メタグロスを意識するのであればバシャーモを選出することが多いです。
タイプ・ヌルを選出しオニゴーリを出さないケースとしては、トリパ相手であったりカバマンダガルド系統の構築にカミツルギが入っているケースなどがあります。
タイプ・ヌルを選出しない場合
対戦相手の手持ちにフェローチェやキノガッサがいる場合は、基本的にランドロスを先発させて後発にボーマンダやバシャーモを出すことが多いです。
ランドロスでステロ撒いたり、大爆発による削りを行ったのちゲッコウガやメガ枠で制圧する立ち回りをしていました。
キツいポケモン
耐久振りミミッキュ
バシャーモのフレドラやマンダの捨て身を耐えてくるため、可能な限りステロを撒きたい。オニゴーリに呪いを撃たせて自ら体力を削ってもらうのもあり。
シールドフォルムのギルガルドを一撃で落とす手段がオニゴーリの絶対零度しかないため、択になったり悪の波動の追加効果を狙うことが多かったです。弱点保険型が流行っていたため、仕事される場面が目立ったことも反省点。
カプ・コケコ
タイプ・ヌルがC1段階上昇EF下Z10万ボルトを耐えられる(150~177ダメージ(74.6~88.0%))とはいえ、電気の一貫を許したら大きく削られることが多かったです。ランドロスを選出してケアしたり、凍える風でSを落としてオニゴーリや地震持ちボーマンダに繋いで処理していました。
キノガッサ
タイプ・ヌルが対峙したら昏睡レイプされます。そのため、ランドロスを先発させてステロを撒くか爆発で1:1交換を取るようにしていました。
速いカプ・レヒレ
タイプ・ヌルをカプZで大きく削り、オニゴーリの上から挑発してくる天敵。この個体を繰り出してくる方にマッチングした場合は、TNを控えていました。
選出画面に見えたら、必ずランドロスでステロ撒いてバシャーモを展開するかゲッコウガの手裏剣圏内に入れる立ち回りをしていました。
格闘Zゲッコウガ
タイプ・ヌルが不利となる稀有な型。変幻自在発動時のZけたぐりが138~164ダメージ(68.6~81.5%)、けたぐりが威力100で86~104ダメージ(42.7~51.7%)。
この型を使っている方は、おそらくタイプ・ヌルに対して相当な殺意を抱いていると思われるため、こちらもTNを控えていました。
終わりに
今期はタイプ・ヌルと数多くの対戦をこなして、このポケモンが現環境で活躍の可能性を秘めていると感じました。シーズン12の構築はオニゴーリ以外1体も決まっていませんが、引き続き結果と可能性を追求していきたいと思います。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!質問・感想・意見等がございましたら、twitter @Onigohri_362 までお願いします。
追記
QRレンタルチームのリンクとなります。PGLにログインした状態で、下記リンク先から試して頂けるとありがたいです。