【S9 剣盾ダブル】魔改造晴れパ 最終1592位
はじめに
ランクマッチシーズン9お疲れ様でした!TNきせきらき で潜っていました。マッチングした方は対戦ありがとうございました。
普段はシングル勢ですが、今期はダブルバトルに注力していました。シーズン通して下記の晴れパをそのまま使わせていただき、都度アレンジを加えていきました。
今ーズンは8月中旬くらいまでは4桁台、下旬は3桁台、最終日の3日前辺りでは3桁台前半の試合を経験することができました。最終的に大きく溶かしてしまったので、シーズン途中の成績については対戦相手の方に訊くしかありません。
概要
コータス+晴れエースについて
本構築は、コータスで天候を晴れにしてサンパワーリザードンの火力を押し付けていくことを主軸にしています。ドラパルトテラキオンやバンドリなどリザードンの4倍弱点を突いてくる並びに対しては、葉緑素フシギバナを代わりに選出して対応します。
剣盾DLC1弾にてフシギバナにキョダイマックスが実装されたことにより、巨大鞭撻のスリップダメージに期待できるようになり晴れパ全体で強化されたと言えます。
コータスの鉄壁について
晴れパの目玉であるコータスですが、本構築では鉄壁搭載個体となっています。ダブルでコータスが悠長に積んでる暇はないのか嫉妬の炎や噴火が強いからなのか、ポケモンHOMEにおける技使用率ランクは圏外となっています。主なメリットは下記の通りです。
トリル下のギガイアスへの対抗
シーズン当初はレンタルパを回していましたが、トリル展開からギガイアスを出されるとほぼ確実に制圧されて負ける場面が目立ちました。詳細は後述しますが、鉄壁を搭載することにより、トリル下で相手のギガイアスより先に鉄壁を積むことができ(最遅コータスのS実数値は22、最遅ギガイアスのS実数値は27)、ダイマックスターンを凌ぐことができるようになりました。
物理全般への要塞化
鉄壁を採用した主な目的はトリル下でギガイアスに制圧されるのを防ぐためでしたが、その他物理方面全般に役立ちました。特にゴリランダーやガオガエンは、鉄壁を積みさえすれば確実に勝てる相手だったので、取り巻きを処理してコータスで詰ませるというゲームプランが立てられました。
積むことができれば物理方面の相手はかなりしやすかったです。怯みや急所、その他追加効果を引くリスクは常に付きまといました。
ボディプレスの火力上昇
8世代から新たに追加されたボディプレスは、使用者の防御が高いほど火力が出る技です。そのため威嚇の影響を受けることなく、鉄壁で防御を上げれば安定した火力上昇を見込めます。
個別解説
※()内は努力値。リザードン・フシギバナ・ウーラオスはキョダイ個体。ピッピとコータスはS個体値0。
ルガルガン@拘り鉢巻
【性格】陽気
【特性】硬い爪
【実数値】150-169(252)-85-x-86(4)-178(252)
【技構成】アクセルロック/岩雪崩/インファイト/不意打ち
- DMバンギラス(H414B130)に対してインファイトが確定1発(456~540ダメージ)。
- DMリザードン(H308B98)に対して岩雪崩が確定1発(328~388ダメージ)
- DMエースバーン(H310B95)に対してアクセルロックが確定2発(156~186ダメージ)。
アローラから時空を超えてきたプレシャス個体*1。参考元の構築にいたので、構築ごとパクることにしました。主に晴れミラーや、岩・格闘打点がどうしても欲しい時に出します。
ゴリランダーが怖いですが、リザードンやフシギバナは有利ですしコータスに引いたりピッピで攻撃を吸い寄せることもできるのでケアは十分可能です。
技構成は、アクセルロック・岩雪崩・インファイトまでは確定。ラス枠はキュワワードラパルトの並びにウーラオスと共に対抗するための不意打ち。他にはロックブラストや噛み砕く、炎の牙などが考えられますが、採用には至らず。
拘りポケモンなので、明らかに刺さってる技がある場合のみ選出していました。例えば、 晴れミラーや襷モロバレル入り、イエッサンブリムオン系統などが挙げられます。
リザードン@命の珠
【性格】控え目
【特性】サンパワー
【実数値】167(108)-x-99(4)-162(148)-106(4)-151(244)
【技構成】熱風/エアスラッシュ/熱砂の大地/守る
- 晴れ or 手助け巨大獄炎がHD特化サマヨール(H147D200)に対して118~140ダメージ(80.3%~95.2%)。
- 晴れ or 手助けダイアースでHD特化ガオガエン(H202D156)が中乱数(50%)1発(182~216ダメージ)
- 同様に、ダイアースでDMパッチラゴン(H330B90)が高乱数(75%)1発(315~372ダメージ)
- ダイロックでDMリザードン(H308D105)が確定1発(333~395ダメージ)
- 最速85族(イエッサン♀、キングドラ、ゴリランダーなど)抜き
本構築のエース枠。珠とサンパワーの火力を押し付けに行きます。晴れパのリザードンはヨロギの実を持って岩技の被ダメを抑えることが多いですが、火力を重視して命の珠にしています。サマヨールやガオガエンなど、特殊アタッカーを動かす上で障害となるポケモンを1ターンで沈めることができるのは大きなメリットと言えます。他にも晴れ・珠による火力は凄まじいものがあります。
技構成は、DMが切れた後もこの指止まれや怒りの粉で吸い寄せられない熱風、ダイジェットの媒体となり怯みも狙えるエアスラッシュ、ガオガエンやパッチラゴンへの打点となりダイアースで味方全体の特防を上げられる熱砂の大地、ダイウォールの媒体となり、非DM時でも生存に役立つ守るとなっています。
珠とサンパワーの定数ダメージに加えて、リザードン自身の耐久も高くはないため体力管理には注意する必要があります。先発でコータスと共に出した後は、相手の初手ダイマックスが想定できる場合には一旦ダイウォールしつつピッピに引いて凌ぐのも行動の選択肢に入ります。
当初は臆病CS個体を使用していましたが、抜かれる相手はたとえ最速であっても抜かれることが多く、それよりも耐久に振った方がいいと考えたため調整をすることにしました。配分としては、こちらの記事を参考にさせて頂きました。
記事とは性格が異なっていますが、素早さを抑えて臆病CS個体並みの火力を維持しつつ、耐久を確保しています。最速ウーラオスやポリゴンZには抜かれますが、隣にピッピがいれば撃ち合うことは可能ですし、耐久振りに助けられた場面も多かったのでこの調整で正解でした。
ピッピ@進化の輝石
【性格】呑気
【特性】フレンドガード
【実数値】175(236)-x-110(252)-x-88(20)-36
【技構成】この指止まれ/光の壁/手助け/守る
- H:16-1(砂ダメ等の定数ダメ最小)
味方を守るサポート要員。隣のエースを守りつつ、置物にならない範囲で生き残る役割があります。
技構成は、構築概要でも述べたとおりですが、味方への攻撃を吸い寄せるこの指止まれと、ヘイトを集めた自身が生存するための守る、猫だましより高い優先度かつ味方の火力を底上げできる手助けまでは確定。
ピッピの技構成は、味方への攻撃を吸い寄せるこの指止まれ、自身が生存するために不可欠な守る、猫だましより動くことができ味方の火力を増強できる手助けはほぼ確定だと思われます。
ラストの枠は、リフレクターやJCSで猛威を奮った歌うが候補でしたが、パーティ全体で何を重視するかによっても変わってくると思いますが、本構築では特殊方面への耐性を重視して光の壁を採用。構築概要で述べた理由により光の壁を採用。トゲキッスには急所で貫通されますが、晴れミラーや雨パ、トリルアシレーヌ、など特殊方面の相手を安定させるために重宝しました。ポリゴンZに対してはピッピが被弾しない読みで壁を貼るのはリスキーだったので、手助け巨大獄炎で横のピッピを落として後続をウーラオスに任せていました。
フシギバナ@達人の帯
【性格】控え目
【特性】葉緑素
【実数値】175(4)-x-104(4)-165(236)-121(4)-114(108)
【技構成】リーフストーム/ヘドロ爆弾/大地の力/守る
第2のキョダイマックス枠。リザードンが出し辛い岩技持ちや、雨パなどに出します。ただし、同居しているエースバーンがかなり重くなるためピッピによるサポートは必須です。
技構成は、巨大鞭撻の媒体となるリーフストーム、一致打点かつダイアシッドで積みながら殴れるヘドロ爆弾、地面打点かつダイアースで特殊耐性を上げられる大地の力までは確定。
ラストの枠は、安定性を求めるのであれば守る、トリル起動など外しのリスクを負ってでも行動全般を阻止したければ眠り粉になります。終盤まで両方使い分けていましたが、守るの有用性を感じることが多かったので守るを採用。
また一時期ウェザーボールを採用していたこともありましたが、最終的にセキタンザンへの打点を優先して大地の力に落ち着きました。ウェザーボール自体は、晴れ下でナットレイやモロバレル、アーマーガアを焼却できた点で面白い動きができたのですが、彼ら以上に増えていたセキタンザンへの対応を優先しました。
コータス@食べ残し
【性格】呑気
【特性】日照り
【実数値】177(252)-x-187(76)-105-113(180)-22
【技構成】ボディプレス/鉄壁/欠伸/守る
- H:16n+1(残飯効率最大)
- 鉄壁1積みで意地バンギラス(A204)のDM岩雪崩が84~98ダメージ(47.5~55.4%)
- 陽気ドリュウズ(A182)のDM地震耐え(150~176ダメージ)
- 晴れ下で控え目珠キングドラ(C161)のDMハイドロポンプ耐え(143~172ダメージ)
本構築の心臓となる晴れ要員。元記事では噴火搭載のHCベースオボンでしたが、HP満タンの状態で噴火を撃つ機会がほとんどなく、ボディプレスの火力が少しでも欲しかったのでHBベースに変更。調整はこちらの記事を参考にさせて頂きました。
昨今のエースバーンコータスが見えているとダイジェットしてこないことも多く、また相手が能力を上げてこない場合は嫉妬の炎は腐りがちでした。代わりに熱風の採用も視野に入りましたが、ダイマックスエースが倒れた後に出てくるゴリランダーや、トリルアタッカーのギガイアスを特に重く見て鉄壁を採用。物理方面への要塞になれると同時に、ボディプレスの火力アップにも役立ちます。また相手のパーティが物理偏重だった場合は、コータスで詰ませるゲームプランを組むことが多いです。
なお攻撃技がボディプレスのみとなるため、霊・妖の相手がし辛くなりますが、仮に嫉妬の炎や熱風を搭載したとしてもコータスで勝てるかは微妙なので思い切って変更しました。ドラパルトやトゲキッス、アシレーヌはコータスがどんな型だったとしても依然としてキツい相手です。そのため、後述のウーラオスに雷パンチを搭載して見ることもありました。
ウーラオス(一撃の型)@気合の襷
【性格】陽気
【特性】不可視の拳
【実数値】175-182(252)-121(4)-x-80-163(252)
【技構成】暗黒強打/インファイト/雷パンチ/守る
パーティ全体で重くなりがちなドラパルトやゴーストタイプへの対抗枠。またリザードンやフシギバナが事故死した場合や、2体が余りにも刺さっていない場合はウーラオスをダイマックスさせることがあります。
シングルではウーラオス自身がダイアークの恩恵(相手の特防1段階ダウン)を受ける場面は殆どなく、ダイウォールを無視して攻撃できるキョダイ個体の方が有用性があります。しかし、ダブルであればダイアークの恩恵を味方の特殊アタッカーが受けられる場面が想定できます。もっともウーラオスにダイマックスを切るような場面ではリザードンやフシギバナが事故死していることが多いため、そのような恩恵を受ける機会はなく、また巨大一撃はダイウォールすら無視できる大きなメリットがある点と見た目のカッコよさを重視してキョダイ個体を採用。
技構成は、一致打点の暗黒強打だとインファイトは確定。守るの枠は、封印対策で見切りでもいいですがPP切れそうになったことがあったので守るにしました。ちなみにシーズン通して守るを封印されたことはなかったです。
ラストの枠は最後まで不意打ちにするか雷パンチにするか迷いましたが、トゲキッスやアシレーヌがとにかくきつかったので雷パンチを採用。不意打ちによる縛り性能は放棄することになりましたが、見せてない間は相手も勝手に警戒してくれるので結果的には正解でした。
選出パターン
基本選出
基本選出。早い岩雪崩持ちやバンドリがいない限り、リザードンを先発に出すことが多いです。悪戯心持ち(エルフーン、オーロンゲなど)や弱点保険・正義の心ギミックの始動要員(ドラパルト、マニューラ、キュワワーなど)がいる場合は、リザードンを守ったりギミックの発動を防げるようにピッピを一緒に出していました。またこの指要員の横に高火力ダイマックスエースを置く並び(ピッピ・ポリZ、ピッピ・リザードン)に対しては、先にこの指要員を手助け補正が乗った攻撃で落としにいくことが多かったです。
イエッサンフーディン系統に対しては、リザードンでフーディン方向にダイジェットしつつウーラオスを投げていきます。ピッピ光の壁を貼り、自ターンにもう一度ダイジェットしてイエッサンを落としつつ裏からウーラオスを投げてダイジェットの恩恵を受けてS上昇と相手のサイコフィールドを活用していました。
天候要員のコータスは後投げすることが多いです。手から晴れの火力を押し付けつつリザードンをサポートしたい場合は、先発コータスリザードンにしてピッピを後投げすることもあります。またトリルギガイアス軸の場合にはサマヨールがトリル貼ってる間にコータスで鉄壁を積みます。
ラストの1枠は、妖が重くなりそうな場合はフシギバナ、晴れミラーであればルガルガン、それ以外は襷要員のウーラオスを出しました。
ウーラオスキョダイマックス
フシギバナにもリザードンにもダイマックスを切り辛い相手への選出。モロバレルやジバコイルなど頑丈・襷持ちの選出が予想され、裏にはトゲキッスやドラパルト、ガオガエンが控えている相手に対してこの選出をしました。また悪戯心オーロンゲなどがいる場合にフシギバナに処理してもらった後でダイマックスはウーラオスに切ることもあります。
いずれにせよウーラオスにダイマックスを切らざるを得ない時点でかなり苦しいですが、晴れ選出を想定してきた相手には予想外に刺さることも多くありました。
リザバナ両選出
主にドラパテラキモロバレル入りに対する選出。モロバレルは出てこないことも多いですが、コータスが炎技を搭載していないのでリザードンを選出しなかったら詰むおそれがあるので両選出します。
先発にリザバナを並べてテラキオンがいなければリザードンを、テラキオンがいる場合(隣は大抵ドラパルト)はコータスを後投げしつつフシギバナにDMを切ります。ドラパルトはダイジェットかダイホロウを撃ってきてテラキオンが岩雪崩をしてくるのでこれを凌ぎつつ、巨大鞭撻でテラキオンを処理していました。相手視点から見たら、仮にモロバレルを選出した場合はリザードンを処理したいと思われますし、してないのであれば巨大鞭撻に後投げは難しいと思われます。
後続はリザードンやウーラオスに任せることになりますが、ドラパルトのDMターンはダイウォールを挟みつつフシギバナに消費させておきましょう。
終わりに
平時はシングル勢の者がシーズン通してダブルランクマに潜ってみた感想としては、盤面に存在する個体が増える分、選択肢が多くなり想定しなくてはならないケースがかなり多く、経験で積み上げなくてはならない部分が多いと感じました。
構築記事で全ての構築(系統はある程度まとめられるかもしれないが)に対して完璧な回答を書ききることはできず、実際に自分で構築を運用したり対戦しないと分からない立ち回りが数多くありました。特に余計な場面で負け筋を引きに行ったり、不要なリスクを負う場面が目立ったかなと思います。
一例ですが、こちら残HP1のA1段階上昇一撃ウーラオス・リザードン、相手が削れたツボツボ・ラッキーの並びと対面した際にラッキーのサイドチェンジを警戒してツボツボ方向に暗黒強打、ラッキー方向にエアスラを選択しました。この対面はツボツボを落としラッキーはエアスラで怯んで勝ちましたが、仮にラッキーに動かれていた場合、地球投げでウーラオスが落とされてラッキーで詰みかねません。要は7割の負け筋を自ら引きに行っていた状況です。
ツボツボは暗黒強打・エアスラのどちらでも落ちるので、サイドチェンジの有無に関わらず落とすことができました。ラッキーはサイドチェンジを選択した際は攻撃できないので、この対面はラッキー方向に暗黒強打・ツボツボ方向にエアスラが正解でした。
上記の例だけでなく、盤面における最善手を選べてなかった場面が多数ありました。またダブルでメジャーなギミックや並びに対して確実な解答を用意しきれなかった点も終盤レートが伸び悩んだ点でした。同時に最善の選択を続けて辛うじて勝てた試合もあったので、シングルとはまた違った面白と難しさがあると感じました。
盤面ごとの対応については、また別記事で思考の整理のためにもピックアップする予定です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。質問・感想・意見等がございましたら、twitter@ Onigohri_362 までお願いします。
スペシャルサンクス
本構築のベースを考案されたふれいむさん
コンペボールコータス、サファリボールフシギダネの孵化余りを提供して下さったBBさん。
*1:https://www.pokemon.co.jp/ex/usum/lineup/170922_02.html
剣盾のランクマッチに参加させるためには、バトルタワーのロビーでバトルレギュレーションマークを付ける必要があります。また、その際に限定技であるハッピータイムは使えなくなります