オニゴーリと振り返るSMレートシーズン1
はじめに
オニゴーリは好きですか?
好きと答える人は使ってる側もしくは圧倒的にカモにしてる側で、嫌いと答える人はそれ以外が多いかと。
今回の記事では使っている側の視点からオニゴーリ並びにシーズン1での使用感を振り返っていきます。
まずはオニゴーリを取り巻く環境・仕様の変化について触れていきます。
本記事中に何度かダメ計を載せますが、オニゴーリの実数値はH177B100D111*1で計算した結果となります。
強化点
TODの廃止ならびに持ち時間制の採用
サンムーンからは、1ターンの技選択時間が60秒以内で、持ち時間10分がなくなるとその時点で負けとなる仕様に変わりました。そのため、毎ターン1分かけて技選択しようのものなら、その時点で自滅するためTODはできなくなりました。放置された場合*2でも、対戦相手は自らの持ち時間を失うだけでメリットは何もありません。対戦相手が持ち時間10分を使い切った場合、下の画像のようになります。
6世代でオニゴーリに対する対策として行われていたTODが不可能になったことにより、オニゴーリはムラっけを積む機会が増えました。持ち時間制との関連ですが、基本的に3~4秒で即決して技を選択していれば、どんなに多くターンを消費しても持ち時間が7分を切ることはほとんどなかったと記憶しています。
フリドラ地震型の増加と高耐久みがまも持ちへの対抗
試合時間を気にせずムラっけを積めるようになったことにより、以下に挙げるような大きな変化がありました。
XY・ORASでは、オニゴーリはTODされやすく、ムラっけの試行回数を十分に稼げないこともあり、TOD対策の一環として絶対零度が多く採用されていたと記憶しています。
しかし、持ち時間制の導入に伴い、起点さえ作れば十分にムラっけの試行回数を稼げるようになったため、技範囲と安定性*3に優れるフリドラ地震両刀オニゴーリが台頭してきました。
ただし、この型を扱う場合、トレースポリゴン2やハッサムは別枠で対処する必要があります。
Ⅱ)高耐久みがまも持ちへの対抗
SMレートシーズン1では、数回残飯どくみがガルドとの対面がありました。そのようなケースにおいて、フリドラのPPが枯らされないことに注意しつつ、2秒以内に技を選択してムラっけの試行回数を稼ぎ、フリドラで身代わりを確定破壊*4できるまで粘れば地震がなくても勝てました。
高耐久身代わり持ちにTODされなくなったことも強化点の一つであると言えます。
バンク解禁後に現れる可能性があるヒードランの身代わりは壊すのに2発かかり*5、スイクンの場合は不用意にフリドラを押すとPPが削られるので注意が必要です。
親子愛ならびにスキン系統の弱体化
親子愛は親子合わせて1.25倍に弱体化され、スキン系統は1.2倍に弱体化しました。しかし、依然としてオニゴーリが素で受けられる火力ではないので対面には注意が必要です。
- A177メガガルーラの捨て身タックル:親が120〜142ダメージ、子が30〜36ダメージ(瀕死率10.74% )
- A194メガガルーラの捨て身タックル:親が132〜156ダメージ、子が33〜39ダメージ(瀕死率62.23%)
- A194メガガルーラの岩石封じ:親が90〜106ダメージ、子が22〜26ダメージ。オニゴーリのB実数値が100の場合、2段階上がっていても親の岩石封じで身代わりが確定破壊されます。
- A216メガボーマンダの捨て身タックル:175〜207ダメージ、乱数1発 (93.8%)
弱体化点
氷タイプへの絶対零度無効
オニゴーリのメインウェポンの一つと言ってもいい絶対零度ですが、サンムーンからは氷タイプには無効になる仕様になりました。もっとも、レートで見かける氷タイプといえば以下に挙げる程度なので、そこまで大きな弱体化ではないかもしれません。
シーズン中に見かけた対策枠
滅びの歌
この技を使用された場合、3ターン後に場にいるポケモンは問答無用で戦闘不能にされます。メガゲンガーにキャッチされた状態はもちろん、こちらがラス一ないしは頭数が少ない状態でこの技を使われると相当苦しい状況に追い込まれます。
選出画面でこれらのポケモンがいたら注意しましょう。
呪い+α
藁人形ミミッキュ。呪いを撃たれた場合、毎ターン強制的に44削られます(オニゴーリのHPは、残飯効率を重視して177が多い。)。SMレートシーズン1の上位構築によく入っている印象があります。
また、トリル展開をしてくることもあるため、鈍足ポケモンと組んでいる場合は要注意です。バンク解禁後は、トリルからのメガヘラクロス展開をしてくる可能性があるため、この2匹がいたら選出を避けた方がいいかもしれません。
連続技
身代わりを張ったオニゴーリを、身代わりを破壊しつつダメージを与え、突破を図ってくるポケモン達。
前述の通り、氷タイプに零度が効かなくなったこともあり、パルシェンが対策枠としてよく出てきました。交換際にフリドラを被弾したら何もできずに沈みますので、後出しのタイミングは使う側も使われる側も考える必要があります。
パルシェンのメインウェポンは連続技なので、オボンの実を所持した対策枠が開拓された模様です。
その他には、王道を征くメガガルーラ、一致ロクブラを撃てるドサイドン、ホネブーメランを搭載したガラガラ等も出てきました。ダメ計は下記の通りです。
聖なる剣・スマートホーン
今作から鋼タイプの必中物理技(威力は70)として、スマートホーンが追加されました。この技を使いこなす代表的なポケモンとして、カミツルギが挙げられます。
意地カミツルギ(実数値256)のスマートホーンで確定1発(204~240ダメージ)なので、このポケモンには注意が必要です。
また、ビーストブーストが発動していた場合、A1段階上昇リーフブレードでも確定1発なので発動されないようにしましょう。スカーフ持ちが多い印象がありました。
毒菱
滅びと並んでキツイ技。フィールドに撒かれた毒菱を踏むことで毒ないしは猛毒状態になります。定数ダメが蓄積する状況では、みがまもがし辛くなり、実質的に機能停止に追い込まれます。主な使い手として、ドヒドイデやウツロイドが挙げられます。
対策としては、ゲンガーが挙げられます。6世代以前は特性が「浮遊」だったため、毒菱を回収するためには一度メガシンカする必要がありました。しかし、今作では特性が「呪われボディ」に変わったため、接地している毒ポケモン扱いとなり、毒菱を回収できます。
Z技
サンムーンからの新要素Z技。攻撃技をベースにした場合、威力が底上げされると共に必中の一撃となります。すなわち、どんなに回避をあげていようと、Z技を撃たれた時点で被弾は免れません。
~Z技のベースとなる技~
- 命中安定のメインウェポン(10万ボルト、シャドークローなど)
- 命中不安・デメリットを抱えた高威力技(気合いパンチ、気合い玉、燃え尽きる、ハイドロポンプなど)
- 補助技(テクスチャー、呪いなど)
以下では、Z技を搭載したポケモンとの対面を見ていきます。
対カプ・コケコ
SMレートシーズン1終盤に、電気Zを持ったカプ・コケコが急増しました。このポケモンとオニゴーリが対面した場合を振り返っていきます。カプ・コケコ側はC147、オニゴーリ側はH177D111とします。
まず、エレキフィールド下で10万ボルトベースのスパーキングギガボルトを被弾した場合、オニゴーリは確定1発で落とされます*6。守るを使用した場合、防ぐことはできない代わりに威力が4分の1に減衰します。その結果、被ダメは49〜58ダメージまで落ちます。
この時点で残HPは128以下まで減らされます。その後残飯により11回復しますが、カプ・コケコのエレキフィールド10万は、102〜120ダメージとなので、大きく削られます。守るは使用済みの判定になっているので、ここで守るを選択する場合は2連守るを試行することになります。
Z技被弾時に1回、次の10万被弾時に1回、守って1回ムラっけの試行を稼げますが、守る読みで瞑想を積まれた場合はどうなるでしょうか?次のZ技に対して2連守るを試行しなくてはならず、成功したとしてもD上昇を引かなければ10万ボルトで落とされてしまいます。
このように、Z技を警戒して行動する場合、威力減衰のための守るを読まれるおそれがあります。また、大きく削られることにより、ムラっけの試行回数を減らされることもあります。
挑発との組み合わせ
Z技に対する対策として、身代わりを張って透かすというものがあります。Z技の中に身代わり貫通技や連続技はありません。身代わりさえ張っておけば、Z技を撃たれても身代わりを壊されるだけで済みます。
しかし、挑発を撃たれた場合、身代わりを張れなくなり、本体がZ技や弱点技を被弾するおそれがあります。例えば、Sに補正をかけた速いカプ・レヒレに挑発されて身代わりを3ターン使えなくなるとします。次の2ターンは攻撃技しか選択できません。
その後フリドラを撃つか零度を外した際に、レヒレ側からスーパーアクアトルネード(おそらくドロポンベース)を撃たれて落とされたことがありました。回避を上げていても落とされるため、挑発を撃たれたらZ技を警戒してもいいかもしれません。
このようにZ技と守るの関係を利用した対策があるため、オニゴーリを使う際はZ技を用いたパーティ単位での対策を警戒する必要があるといえます。
音技・特性「すり抜け」による身代わり貫通
SMレートシーズン1における、代表的な音技持ちと言えばアシレーヌ。C特化アシレーヌのうたかたのアリアは90〜106ダメージで確定2発(50.8%〜59.8%)。
また、アンコールや滅びの歌で展開を阻害してきたり、うたかたのアリアを警戒して身代わりを張ってないときに専用Z技わだつみのシンフォニアを撃ってくることもありました。
鈍足ゆえに一発零度が怖いところですが、それなりに有力な対策枠かと思われます。
その他
この他にも、回避を引かれない限りは高火力で身代わりを壊し続けられるポケモンなどが対策要員として出てきました。具体例としては、零度が効かない頑丈ジバコなどが挙げられます。
麻痺せず、零度も被弾せず、かつD6段階上がってもラスカノを身代わりが耐えることができないため、回避が上がらなかった場合、押し切られることがあります。
バンク解禁後
ポケモンバンク解禁後には、下記の見覚えのある(?)連中がオニゴーリの対策枠として出てきそうです。
メガヘラクロス
1点注意すべき点は、メガシンカしたターンからメガ後の素早さが反映されるようになったことです。そのため、たとえ最速ヘラクロス(メガ前150、メガ後139)であっても、メガシンカした時点でオニゴーリ(最速の場合はS実数値145)の上を取ることはできなくなります。
どちらの場合でも、Bが上がってない状態で被弾したら身代わりを貫通して落とされます。
ハイボニンフィア・メガサーナイト・ペラップ・ウルガモス
ハイパーボイス・爆音波・虫のさざめきなど、音技で身代わりを貫通して倒しに来るポケモン達。スキン系統の弱体化により、ニンフィアやサーナイトのスキンハイボの被ダメは減りました。もっとも、オニゴーリを出すのは安全とは言えませんが…。
- C178眼鏡ニンフィアのスキンハイボ:147〜174ダメージで確定2発(83%〜98.3%)
- C238メガサーナイトのスキンハイボ:130〜154ダメージで確定2発(73.4%〜87%)
- C205ウルガモスの虫のさざめき:94〜112ダメージで確定2発(53.1%〜63.2%)
- C144ペラップの爆音波:102〜121ダメージで確定2発(57.6%〜68.3%)。ペラップは特性「鋭い目」を持っているため、回避が上がっても無意味です。あとアンコールにも注意が必要です。
加速バシャーモ
バンク解禁後に流行りそうなポケモン筆頭候補。バシャーモナイトの解禁については不明ですが、炎Z・格闘Z持ちは大きな脅威になりそうです。
ステロ吠えるエアームド
エアームドにステルスロックを遺伝させる場合、プテラやアーケンなどに教え技として習得させる必要があります。しかしサンムーンに教え技はないため、バンクが未解禁の現時点では遺伝手段がないため、習得不可能です。
バンク解禁後に前述の遺伝要員(もしくは既に遺伝した個体)を連れてくることで、サンムーンでもステロを習得したエアームドを入手できます。
グロパンガルーラ
(零度回避を条件に)オニゴーリを起点にしてきそうな親子。こちらも増殖しそうです。
アイアンヘッドを搭載したメタグロス・ハッサム
カプ・テテフへの安定打点として、ORASの教え技アイアンヘッドを習得してくる可能性があります。
その結果、メタグロスは上からワンパン*7、ハッサムであれば下から身代わりを壊してバレパンで縛ってくる可能性があります。
キノガッサ
襷から珠、鉢巻まで様々な個体がいます。先制技であるマッハパンチ*8、連続技であるタネマシンガン*9、積み技の剣舞に注意です。
この他にもリザードンやドリュウズなど、オニゴーリの上を取ってる高速アタッカーであれば、状況次第ではありますが自然と対策になり得るのではないかと思います。
ゲッコウガ・デスカーン
毒菱を撒いてきそうなポケモン達。ゲッコウガに関しては、全能力を1段階上げるZハッピータイム型も出てきそうです。もっとも、こちらはプレシャスボールから出てくる上に遺伝技である毒菱は搭載できませんが。
終わりに
SMレートシーズン1での個人的な使用感を振り返ると同時に、バンク解禁後に出てきそうな対策ポケモンも挙げてみました。メガヘラクロスやウルガモスなどが特にキツそうです。
まだまだ抜けてる部分や、説明不足の点があるかもしれませんが、その際はご指摘いただけましたら大変嬉しく思います。
ここまでお読みいただき、どうもありがとうございました。質問・感想・ご意見等がございましたら、twitter @Onigohri_362 かコメント欄にてお願いします。
本記事に掲載させていただきましたポケモンの静止画はセレビィネット様から頂きました。
*1:臆病H172、D84、S252振り
*2:XY・ORASでは、ジバコイルとの対面でラスカノや10万で固定&放置&TODを仕掛けられることがよくありました
*3:ムラっけで命中率が下がった場合を除く
*4:H167D170のシールドフォルムギルガルドの身代わりに対して、オニゴーリのフリドラはC5段階上昇で確定1発。Dに補正がかかっていたり、厚く振られている場合はCを6段階上げないと確定破壊はできない。
*5:C6段階上昇のフリドラの場合
*6:195~231ダメージ(110.1%〜130.5%)。エレキフィールドがない場合は、130〜154ダメージ(73.4%〜87%)で確定2発。
*7:陽気A252振りメガメタグロスのアイアンヘッドが234〜276ダメージ(132.2%〜155.9%)で確定1発。
*8:A200テクニガッサの場合は134〜162ダメージで確定2発(75.7%〜91.5%)。
*9:A200テクニガッサの場合は1発あたり42〜51ダメージ(23.7%〜28.8%)。